2011年9月30日金曜日

タイムマシーン



先日、「ニュートリノの速度が光速を超えた」という報道があり、これによっていよいよ過去へと遡行できるタイムマシーンが理論的にも可能になったとSF 好きの人たちの間で話題になってましたが、実際はそれほど簡単な話ではないようで、わたしの高校の同級生であり理論物理学者の田崎くんのブログでもそのあ たりの微妙なところが書かれていて非常に面白い( http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/1109.html#25 )。マスコミは面白さやセンセーショナルな側面から事象を切って報告するのだけれど、まあほとんどの記者自身が物理学のことなどほぼわからない文系の人だ から内容うんぬん、そしてその実験結果自体の信憑性、意義などそっちのけで記事にしてしまうみたいだ。まあ仕方ないといえば仕方ない。所詮、素人の記事な んだから。医学関係でも事態は同じで、iPS細胞など、これによって難病が克服されるような大袈裟な記事が目立つが、事実はそんなことなくて、実際に iPS細胞の仕事に関わっている人たちからも楽観的な意見はなく、もっというなら悲観的な意見の方が大勢を占めているというのが事実だ。そして、そのこと をマスコミは報道しようとは決してしない。まあ所詮素人の集まりですから(完全にマスコミ記者を馬鹿にしてるようですが、そうではない立派な記者がいるの も事実です。十把一からげにするつもりはありませんのであしからず)。おっと話が脇にそれてしまった。
本論は、タイムマシーンについて。
最 近時間遡行をネタにした面白いアニメが続いた。言うまでもなく、「魔法少女まどか☆マギカ」と「シュタインズゲート」のことだ。で、これらの源流はどこに あるかということになるとどうもそれはエロゲにあるそうだ。と東浩紀をはじめとした多くの方が指摘している。エロゲをしたことがないわたしにはまったく何 のことかわからないのだが、皆がそういうならそうなのだろう。エロゲおそるべしである。だからといって今更ながらにエロゲをやってみようとは思わない。そ んな歳でもないし・・・・。しかし、「シュタインズゲート」に関してはゲームとして発売された当初より神ゲーとして評判が高く、至る所で絶賛されていたの で、それがアニメ化されるということをきいた時点でわたしはPC版の「シュタインズゲート」を購入して、やってみた。ゲーム自体は、昔わた したちが「アドベンチャーゲーム」といっていた種類のもので動画はない。セリフがメインで物語が進行していくのだが、このセリフをきちんと声優が発するの でそれを聴くのが煩わしい。時間がかかるし・・・。セリフの流れるスピードも遅いし、もっと速くどんどん話をすすめようぜっていう感じになってしまう。そ れでも我慢しながらゲームに付き合った。終わり方は全部で6通り用意されており、最後のTRUE ENDにたどりつけばめでたしめでたしとなるわけであるが、わたしは最初の鈴羽エンドに到達した時点で疲れてしまってもういいわと思ってしまった。物語は それなりによくできていてSF色が濃い内容となっている。でも納得のいかない細部の粗さもある。2ch用語が頻用され、萌の要素も満載で飽きることはない と思われる。
だけどなにがなんでもTRUE ENDまで到達したいとまでは思えなかった。まあ、いいや・・・。
で、 そのアニメ版ですが、ニコ動でずっと観た。途中、退屈になったところもあったが最終話に行くに連れだんだんと面白さは増していき、特に23話は神回だっ た。まあ、いいアニメでした。「魔法少女まどか☆マギカ」には及ばないけれど。「とある魔術の禁書目録」よりは圧倒的に面白かった。
で、とにかく主人公はタイムマシーンみたいなものを使用して何度も何度も運命を改変すべく過去に遡行していくのだが、どうもこれが昨今の流行みたい。
「改変できない運命などない」ってことなのだろうか。
そういえば寺山修司は「書き換えのできない過去などない」って言ってたような・・・。
時 間遡行をして、過去へ戻って過去を改変して運命を変えてもその主体となる本人に堆積していく時間そのものは変えようがない。リーディング・シュタイナーの 哀しいところはまさにそこにある。周りは記憶もなにも改変されてしまってもリーディング・シュタイナー自身の記憶は改変されずに起こったことが積もってい くだけだ。暁美ほむらがそうであったように。鳳凰院凶真がそうであったように。時間を遡行できても時間そのもは積もっていく。それはつまり確実に老いてい くということ。
はっきり言っておくが、老いは悪ではない。
あたり前のことだが、老いは死へ至るための儀式みたいなものだ。
そして、死は悪ではない。
あたり前のことだが、死があるから生の喜びがある。
死がなくなったら・・・・それは暗黒だけが待っている。喜びのない生なんて、それはまさに生地獄に違いない。
うううう、なんか凡庸なことを呟きはじめてしまった。
だから言いたいことは再生医学なんてものをあまり発展させてはいけないということ。
再生=時間遡行
結局取り扱っているテーマは同じことがわかる。
まあ人間の欲望としてはひどくわかりやすい部分ではある。
でもおそらく良識ある人は、そんなことには倦んでしまうのだろう。
何回も何回も時間遡行してもアトラクターフィールドはある一点にしか収束しないのかも。
老いた肉体を再生しても精神はどうなるのやら。
だから運命論者のわたしにはすべてが面倒くさく思えてしまうのでした。
物事、なるようになる。あるいはなるようにしかならない。これは同義。だから仕方ないけどなるようにあるいはならないように生きていくしか仕方がない。まったく訳がわからないよ!
やっぱQBは神!
Steins;Gate』(シュタインズ・ゲート)は、2009年10月にXBox360用に日本で発売された5pb.開発・発売によるコンピューターゲーム。略称は「シュタゲ」。これを原作としてアニメ化や漫画化などメディアミックスが行われている。アニメ版は今年春から秋にかけて放映された(全24話)。