2009年9月30日水曜日

サッカーから文学から

J-Sportで放映されているサッカー専門情報番組。

このblog で話題にしているネタで一番多いのは海外サッカーの話ですが、この海外サッカーの情報の殆どはスカパーとJ-Sportsの番組からです。J- Sportsのサッカー番組は老舗のものとして「Foot!」というのがあり、これは今期10周年を迎えたということです。初期の頃と構成内容はかなり変 化してきておりますが未だに面白いのには違いありません。また、昨年から始まった「ENG」というプレミアリーグの情報番組も面白く、毎週楽しみにしてお ります。どちらの番組のプロデューサーも田口賢司という人で、この方は昔(1980年代中頃だったような・・・)、浅田彰を起用した「Evalution Cafe」(あれっ、これって書籍の名前だったかも・・・)という前衛的(なんという死語)なTV番組を作った人です。94年には「ラブリィ」という小説 を発表して浅田彰や福田和也に絶賛されております。その時、わたしはちょうど「メタリック」を上辞した頃で、新潮社の担当編集者は矢野優さんでした。矢野 さんは現在「新潮」の編集長をなされています。その矢野さんに確か「ラブリィ」を読むように勧められ、読んでみたのですがまさに「中身がなにもないスカス カの作品」で、そこがすばらしいと矢野さんは解説してくれたような記憶があります。矢野さんと浅田彰は同じ京大経済学部出身で、田口賢司は同志社大学出 身。つまり京都つながりであったようです。わたしも矢野・浅田と同じ京大出身ですが、浅田さんとは面識はありません。矢野さんと浅田さんはかなり懇意な仲 のようで、矢野さんが浅田さんにわたしの「メタリック」をすすめたそうですが浅田さんの評価はあまり芳しくなかったようです(と、矢野さんが話してくれま した)。田口賢司は、その後、2004年に「メロウ」という作品を発表し、これは浅田彰選考委員長のドゥマゴ文学賞を受賞しました。まあ、はたからみると なにか談合のようでそれに対して浅田さんはかなりハイトーンな反論をしていたような記憶があります。そんな浅田さんも今は京都造形芸術大学の学長になり、 いろいろと面白いイベント(といってもいつもの人が昔の名前で出ています感が拭えないような気もしますが)が芸短(京都での通称。昔は京都芸術短期大学と いう名前でした)では開かれているようです。浅田さんはおそらく矢野さんつながりで、新潮新人賞の選考委員をつとめておられ、どうも詳細は知らないのです が最近は京都出身の若い女性が文学新人賞を受賞することが多いらしく、それもなにか京都人脈による談合によるものだという悪評をきくのですが、本当のこと は知りません。浅田さんも矢野さんもそれほど女性には興味ないような気もするので、どうなんでしょう?昔、矢野さんのお宅にお邪魔した時には、その頃矢野 さんが同居していたオランダ人の女性とその女友達が寝ていたのを覚えています。その部屋の壁はすべて本棚でおおわれ、そこには何百何千(ちょっと大袈裟で すが)という書籍が並んでいました。矢野さんは女性的な優しい男性で、浅田さんと通じる少女的肉感をもった美男子でした。「このひとは賢いなあ」という感 想を久々に抱いた人でした。ちなみに作家で「賢い」という印象をもたれる人はダメです。作家は「バカ」でないとつとまりません。京大の学生時代に文学部や 理学部や他学部の友達とつきあっていて「この人は賢いなあ」と思うことはほとんど、いや、まったくなかったのですが(あの念のため言って起きますが自分と 比べてどうこうという意味ではありません。自分より賢い人なんて腐るほどいます、と自分は思ってます)、理学部の友人が言うところによると当時一学年 300名ほどの理学部学生のうち講義を理解出来る本当に優秀なやつというのは一学年に2−3名ということでした。文学部の友人も何人かいましたが皆そんな み賢くはなかったです。その一人に瀬々敬久というのがいまして、映画部でいっしょだったのですが、映像的な才能もまったくなかったにもかかわらず、今は映 画監督として成功しております。近作では「感染列島」というやつを撮っています。医学部はどうかというと学生当時賢いと思えるやつは10名くらいはいまし た。わたし的に一番賢いと思っていた人は今や日本を代表する、いや、世界的にも有名な再生医学の研究者となっています。米国留学時代に、かれとは同じ大学 におり、わたしは米国留学で基礎研究とはきれいさっぱりお別れする決心がつき、一方、かれは基礎医学で世界に雄飛していくきっかけをつくったのでした。ま あ、でも成功するかどうかは運次第というのも事実です。成功すればそれが必然だったと思えばいいし、成功しなければ自分には運がないと思えばいいのです。 なんて凡庸なことを言っているからわたしは臨床医としては成功したのだと思います。どうでもいいことなんですけど。で、話は元に戻りますが、面白いサッ カー番組を制作してくれている田口さんには感謝です。これからももっともっと刺激的で前衛的(死語!)なサッカー番組を生み出していかれることを期待しま す。矢野さんは、おそらく「新潮」を単なる文芸誌から別の次元のコンテンツへと引き上げてくれるのではないかと期待しております。それだけの才能のある人 ですから。瀬々は、大作映画を撮るのではなく、本来の日活ロマンポルノ臭のするマイナーでとんでもなく変で少数にしか理解されないカルト映画を撮ってほし いものです。そして、浅田さんは、できれば京都の町中で倒錯的な性的事件をひきおこして逮捕されることを期待します。その時、おそらく、その時にこそ、浅 田さんはnext stageへと昇華していくことになるのでしょう。