男女二名によるエレクトロニカ・ポストロックユニット。
元々アート映像やインディーズ映画の楽曲などを製作していたSen(トラックメイカー・コンポーザー)と
宅録で音源製作をしていたCalu(ボーカル)が2006年にネットの募集告知で出会い、2006年に結成。
オランダで7インチを別名儀Parachute Coatsにて発売後、
2007年に1stアルバム 「Zatracenie」をリリース。新人としては異例のヒットを記録する。
2012年12月12日、度重なる延期の末、約5年ぶりとなる2ndアルバム『Laideronnette』をリリース。
(ニコニコ大百科より)
(ニコニコ大百科より)
つい最近、twitterからの情報(樹常楓さんの呟き)で知ったユニットです。
うーーん、なんか既視感ではなくて既聴感があるのですが、元がなにかがよく思い出せない。いや、そもそもそう勘違いしているだけで、このユニットのオリジナルなのは間違いないのですが。とにかく、わたし好みの音楽です。こういう音ならずっと聴いていたいなあ。
こういう楽曲はそれを聴いているといろいろなことが脳内で創造され、つまり新たな創造の惹起力になって、とても好ましい連鎖に至るような気がしてしまうのです。
わたしが一番音楽を聴いていたのは、やはり70年代から80年代だと思うのですが、70年代は大体自分より10歳上の人達が熱狂していた音楽に惹きつけられていたような気がします。同年代が聴く音楽なんて糞みたいなもんだと勝手に思ってました。でも実際は同じようなことを思っている同年代は結構いたわけです(笑)。European Progressive Rockに熱中していた人なんて少数だと思ってましたが、実は結構いるわけです。しかし、やはり全体からみるとやはりマイナーには違いありませんが・・・。それでもマイナーといっても現在的にはメジャーになるのかもしれません。それはつまり、現代はもっと音楽が細分化してきて、様々な音楽が様々な人に聴かれている状況であるということです。
非常にマイナーなレーベルから素晴らしい音楽が発表されていますし、また、そういう音楽会社を経ず、YouTubeやニコ動では素晴らしいボカロ曲を聴くことができます。
最近の日本の音楽状況はかなり成熟してきているように思えるのですがいかがでしょうか?オリコンなどではチャート上位にくるのはAKBとかジャニーズばかりで嘆かわしいといわれていますが、そもそもオリコン自体が時代遅れのもののような気がするのでそこで上位をとっている曲などはっきり言ってどうでもいいものばかりではないでしょうか。つまり、オリコンそのものが嘆かわしいのだからそこに出てくるAKBとかジャニーズを嘆いても仕方ないと。そんなもの最初から嘆かわしいものなのですから。ただ、そういうものを支持しているAKBオタとかジャニオタというものも実は案外馬鹿にできない人たちで中には凄い学識のある人や 別領域でマニアな人などがいるのも確かなのです。つまりは、ひとつのタームで一括りにできないという当たり前のことなのですが。
どうも何が書きたいのかわからなくなってきましたが、実は、このmatryoshkaの音楽を聴いていると「静かに滅びる」という言葉が脳裏に浮遊してくるのです。
あーー、なんて甘美な・・・。
この言葉、最近では、新潮7月号に掲載されていた木村友祐さんの「猫の香箱を死守する党」で見かけた記憶があるのですが、どうもウル覚えです。
この「猫の香箱死守党」はわたしにとっては久々に新潮で面白いと思えた作品でした。
この号の巻頭作品は平野啓一郎さんの「Re:依田氏からの依頼」という作品なのですが、わたしにはどうも難しくて何が面白いのかさっぱりだったのですが、平野さんの作品ということで最後まで読みきりました(そもそも新潮に掲載される作品で最後まで読了する作品というのが珍しいのですが)。そういえば平野さんの「ドーン」という火星有人飛行と米国大統領選を絡ませた壮大なSF作品も先日読了しましたが、なにか徒労感のようなものが残っただけでした。ただし、作品自体は平野さんの作家としての力量をまざまざと感じることができた良作だと思いました。
で、平野作品の後に読んだ「香箱死守党」は圧倒的に面白かった。
新聞の作品評で、「右傾化を警鐘する良作」なんていうバカみたいな評がありましたが、確かに右翼らしきものも出てくるのですが、その人達も結局はある意味社会の底辺にいてもがいている人たちということをきちんと描いていて、なにか社会全体の閉塞感のようなものが猫を通してうまく書かれているなあと思いました。
木村さんの次作にはさらに期待です。
最後に、matryoshkaのPVを貼っておきます。
ちなみに、このmatryoshkaのアルバムは、Virgin Babylon Recordsという会社からリリースされていますが、この会社を設立したのは前田勝彦さんでかれのソロユニットがWEG(world`s end girlfriend)です。空気人形という邦画の音楽などを担当しています。
そのWEGの美しいジブリアレンジ曲のPVも一番下に貼りました。
Matryoshka 「Monotonous Purgatory」