決勝ゴールを決めたアルシャビン(右)とベントナー(左)
UEFA Champions League10-11の決勝ラウンド1回戦が始まりました。
で、そのなかで最も注目度が高いと思われるアーセナルVS
バルセロナの1st
legが先週水曜日にありました。戦前の予想では、どう考えてもバルサ有利。今までアーセナルはバルサに勝ったことはありません。どちらのチームも攻撃型
でポゼッションサッカーを基本型としております。つまり似たようなサッカーをするということです。で、どちらのチームも相手によってその戦術を変更すると
いうことはありません。自分たちが理想とする形でいつも戦います。で、この両者が戦うとなぜかいつもバルサが勝つ。それは各選手の技術の差、あるいは戦術
の洗練度の差なのかもしれません。とにかく、グアルディオラが監督になってからのバルサは、史上最強のバルサといっても過言ではないような強さです。で、
昨年もこの両者はCLで戦い、アーセナルはバルサにけちょんけちょんにされました。そのあまりの差に、アーセナルを応援していたわたしも唖然としてしまい
ました。なにせボールポゼッション率が、30%VS70%って(もちろん、バルサが70%)、プレミアではあれほどまでに高いボールポゼッションで相手を
圧倒しまくるアーセナルがわずか30%ですよ・・・無残でした。で、昨年と比べて今年は、何か違うことはあるのか?バルサはビジャが入り、ますます充実し
たようです。メッシ、チャビ、イニエスタ、ペドロ、ピケ等のカンテラ出身の選手たちは相変わらず絶好調のようです。リーガでも首位を走っており、昨年末の
マドリーとのクラシコでもモウリーニョ率いるレアル・マドリーを圧倒しました。翻って、アーセナル。ゴールキーパーは第三キーパーです。上ふたりは怪我と
不調でダメみたいです。CBも怪我でダメ。中盤は、プレミア前半を牽引してきたナスリがなんとか怪我から復帰みたいですが、試合勘が戻っているかどうか不
安。こうなると今年もアーセナルはバルサにけちょんけちょんにされてしまうような気がしてました。
それが、それが、なんと2−1で勝ってしまったのです!
これだからサッカーは面白い!
試合をコントロールしていたのは明らかにバルサでした。もし前半にメッシが決めるべきところを決めていたなら0−3
でバルサリードで前半は終わっており、おそらくそのまま試合自体も終了していたのではないでしょうか。それが後半30分過ぎまで0−1で劣勢を強いられて
いたアーセナルがファン・ペルシーの奇跡的ゴールで追いつき、直後にセスクからナスリ、アルシャビンというすばらしカウンター攻撃で決勝点をもぎとってし
まうのです。
アーセナルファンとしては、これ以上望むことはできないゲーム展開でした。
もしアーセナルが勝つならアルシャビンのゴールしかないと思ってました。
な
ぜなら論理的に考えるならバルサの勝利しかありえないのですが、その論理性なり合理性を打ち破れるのは天才の不条理しかないからです。で、アーセナルで天
才プレーヤーといえばこのアルシャビンしかいません。アルシャビンは本当に変です。プレーにもムラがあります。失敗した時のあの呆然と虚空をみつめる姿は
天才そのものです。で、その天才アルシャビンがやってくれました。ベンゲルの采配もわたしと同じでした。勝つためにはアルシャビンが必要。で、アルシャビ
ンを途中から出すためにはソングを戻して、ナスリを左から右に回して、元の位置にはアルシャビン!早くそうしろ、ベンゲル!と思っていたら、見事にベンゲ
ルはそういう采配をしてくれました。ありがとう、ベンゲル。
面白いのは、試合終了後、アーセナルの選手たちは皆ピッチ上で勝利を祝っていたのに、アルシャビンは早々にベンチ裏に引き上げていきました。おい、アルシャビンよ、もうちょっと空気よめよ、と言いたい気持ちでしたが、やはり天才はそうでなくてはいけませんね。天才はKYでなくてはいけませんwwww
で、3月に行われる2
legですが、カンプ・ノウでの開催ですからおそらくアーセナルはバルサにけちょんけちょんにやられるでしょう。で、合計でも負けて、準々決勝に進むのは
バルサだと思います。論理的に考えればです。アーセナルが勝てるとしたら今回と同じように、0−1で後半30分までいき、最後の最後でアルシャビンが奇跡
のミドルシュートで1−1に追いつき、試合終了。合計3−2でアーセナルの勝ち抜けということですか。やはりキープレイヤーはアルシャビンです。