ナチにおけるユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒ。
〈金髪の野獣〉と怖れられた彼を暗殺すべくプラハに送り込まれた二人の青年とハイドリヒの運命。
ハイド リヒとはいかなる怪物だったのか? ナチとはいったい何だったのか?
登場人物すべてが実在の人物である本書を書きながらビネは、小説を書くということの 本質を自らに、そして読者に問いかける。
「この緊迫感溢れる小説を私は生涯忘れないだろう」──マリオ・バルガス・リョサ
「この緊迫感溢れる小説を私は生涯忘れないだろう」──マリオ・バルガス・リョサ
恒例のベスト・ワンです。
今年は豊作か不作かあまりわからないような感じなのですが、よくよく考えると良作が多かったため単にわたしの感覚が鈍麻して全体として不作のように感じただけのことかもしれません。
小説ははっきりいって不作。しかし、上に貼りましたローラン・ビネの「HHhH(プラハ、1942年)」は傑作でした。史実をいかに自分のものとして書き上げるか、まさにどこまで自分に誠実にそして歴史に対峙してそれを描き出すかということを真摯に考えて書かれた小説でした。それは日本で大ベストセラーになった永遠のなんとかというまがい物の歴史小説?いや大衆に諂い喜ばすための単なるエンタメ小説とはまったくベクトルの違う本物の小説でした。
映画は超傑作「Gravity」で幕を開けましたが、以降は鳴かず飛ばずの佳作とまりの作品ばかりだったような。その中でも、「テレクラキャノンボール」「風立ちぬ」「インターステラー」「フューリー」などが特に印象に残っています。
ドラマといってもこれまでベスト・ワンでドラマについて言及することはなかったのですが、今年は敢えてあげさせていただきます。そうです、「アオイホノオ」です。これは本当に素晴らしかったです。このようなドラマにまた出会えることを期待したいです。
アニメは「ピンポン」が突出していたような気がします。あらすじは大体知っていたし、映画版も観ていたのであまり期待はしていなかったのですが、絵柄および演出そのものがすばらしく(松本大洋の原作がすばらしいのはもちろんですが)、アニメの可能性をしみじみと実感しました。
漫画は文句なしに松永豊和の「パペラキュウ」。この松永さんのツイッターをフォローしているのですが、この方の呟きは毒満載で物凄く面白いです。
次点は古泉智浩の「夕焼け集団リンチ」。なんか今は亡き山田花子を思い出しました。
音楽は・・・これは語る必要もなく、ベビメタの一年でした。まさに圧巻ともいうべき一年でした。そしてここまで世界で受け入れられるとは予想もしていませんでした。
いやあーー凄いなあ、ベビメタ。
海外での凄さをステマとかいって信じない方もいるようですが、その人気のマジさを感じることのできる動画を下に貼りました。こんな光景がみられる邦楽バンドはこれまでになかったですよ。
Babymetal at Heavy Montreal 2014 - WALL OF DEATH
ということで、今年のベスト・ワンは昨年に引き続き、
BABYMETAL
でした。