大林 宣彦(おおばやし のぶひこ、1938年1月9日 - 2020年4月10日)は、日本の映画監督。
広島県尾道市東土堂町生まれ。尾道市立土堂小学校、尾道北高校卒業、成城大学文芸学部中退。
自主製作映画の先駆者として、CMディレクターとして、映画監督として、日本の映像史を最先端で切り拓いた"映像の魔術師"。大林宣彦が亡くなった。
日本の映画監督(アニメ以外)で、その監督ゆえにその映画を観たいと思う監督は、長谷川和彦(太陽を盗んだ男など)、岩井俊二(花とアリスなど)、庵野秀明(アニメが主戦場ですが実写も撮るので一応。シン・ゴジラなど)くらいで、そこに大林宣彦が入るのはもちろんである。
大林宣彦との最初の出会いは「ハウス」であり、現在はアヴァンギャルドな作品として評価されているが、発表当時はその安直な合成アニメのような特撮画像ゆえに映画評論家たちからがケチョンケチョンに貶された覚えがある。わたしも当時この作品を観て、なんかなあーと思った記憶がある。ぶっ飛んでいるといえばそうなのかもしれないが、正直に面白いとはあまり思わなかった。かれのもっと以前の作品(いつか見たドラキュラなど)を観ても、まあそんなもんかと思うくらいであった。
わたしが大林宣彦を評価するようになるのは、いわゆる尾道三部作を観てからである。「転校生」はメチャクチャ面白かった。その後も90年代なかばくらいまでは面白い作品を次々と大林宣彦は発表していった。
しかし、2000年を超え、次第に大林宣彦の映画の話は聞かなくなった。そして、わたしもいつの間にか大林宣彦の新作を期待して観に行くことはなくなった。
それでも「その日のまえに」はWOWOWで観たような記憶がある。その程度の記憶しか残らない作品であった。
で、つい先日、「転校生ーさよなら、あなたー」(2007年制作)をネットのサブスクリプションで観た。
「転校生」の改訂版みたいな作品だが、元祖は最後に男女は元に戻って、男子が転校生として去っていき、そこに憂愁のような学生時代の別れのせつなさが漂うのだが、改訂版は、男子が転校生として来て物語が始まり、男女が入れ替わった後の主旋律は、難病にかかった女子(中身は男子)の生死になってくる。なんとも重く、どこかでよく見る難病ものの臭い話になってくるのであるが、男女が元に戻った後にその重い生死の問題はあっさりと片付けられて、なんじゃこりゃとなる。まあ駄作である。主演の蓮佛美沙子が好演しているゆえに誠に残念な結果となっている。
ただ、2017年制作の「花筐」は評判がいいらしいのでぜひ観たいと思う。もちろん遺作となった「海辺の映画館」も。
ここれわたしが好きな大林宣彦のベスト3作品をあげると、以下のようになる。
一位:「青春デンデケデケデケ」圧倒的なライブ感で、原作を凌ぐ作品となっている(原作の小説も素晴らしいです)。仁鶴に似た少年は未だに俳優として活躍しているそうだ。
二位:「転校生」これを観ていたら「君の名は」は馬鹿らしくみえる。
三位:「野ゆき山ゆき海べゆき」小津安二郎へのオマージュ作品?前衛的で切ない映画。素晴らしい。
問題は現在のネットフリックスやアマゾンプライムなどのサブスクリプションでは大林宣彦の作品は殆ど観ることができないことである。
「転校生ーさよなら、あなたー」は例外的に観ることができたが、こんな駄作がみれても仕方ない。
昔の尾道三部作や新・尾道三部作などが切に観たいと思うのである。
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