2014年10月7日火曜日

うしじまいい肉とカンパニー松尾

カンパニー松尾(カンパニー まつお、1965年6月29日 - )は、アダルトビデオ監督。
芸名は、高校時代に、近所の店で「ほか弁」を仕入れて学校で売るなどしていた活動を
「松尾カンパニー」と呼んでいたことから。
AV界にハメ撮りというジャンルを定着させた第一人者。
(Wikipediaより)

うしじまいい肉さんとカンパニー松尾さんは時々トークイベントでご一緒することがあるようです。
自分がフォローしている人が、それもまったくこの人たちは関連がないだろうなと思っていた人たちが、twitterで関係あることがわかったりするとちょっとびっくりすると同時にちょっとうれしくなったりします(自分とは全然関係ないことなんですけど)。
 で、カンパニー松尾さんですけどこの方はハメ撮りというドキュメントの先駆者です。そこは撮影者カンパニー松尾と被写体女性の二人だけの世界で、濃密なハメ撮りドキュメントが展開されていきます。このようなAVを観てしまうともう脚本ありきの作り物AVは観れません。ドキュメント以外はAVにあらずということになってしまいます。
そのドキュメントAVで最近話題になっているのが下に貼った「テレクラキャノンボール2013」という作品です。映画版と通常版(?)があります。わたしはカンパニー松尾さんが運営する某ウェブサイトの会員ですので、そこで通常版(約20時間にも及ぶ長さ)をウェブで観ました(あまりに長いので、部分的に早回しをしましたが)。
で、確かにこの作品は、とんでもないAVでした。というかこれAVか?ということにもなるのですが、とにかく身も蓋も無い、レースに勝つためにどんなこともやってのけるそのバイタリティというかやけくそというかその切なさに笑い転げてしまい、また唖然としてしまいました。きれいなプロのAV女優さんも出演しているのですが、彼女たちが出るシーンは正直言って退屈です。そうではなくて、街でナンパしてハメ撮りを許してくれてインタヴューに答えてくれる素人女性たちのシーンがとてつもなく暴力的でなんか哀しいようで勇ましくて、で、そんな素人女性を前にしてプロのAV男優たちは皆ピエロのようで、でもとにかくがんばる!とにかくレーズに勝つために!でもなんかいつのまにか自分が何をしているのかもわからなくなっていく、これは何なんだ、そして観ているわたしたちも何なんだこれは?!となってくるのです。


作品の後半では、プロのAV女優さんと監督の間のなんとなく切ない関係のちょっとお涙頂戴っぽい展開になってきて、かなり退屈になってわたしはそのあたりは超早回しにしてしまいましたが、とにかく作品の8割を占めるナンパ部分とレース部分は面白かったです。
映画版の方は全国で巡回上映されているようで、ますます評判が上がってきているようです。
カンパニー松尾さんは、カレーが大好きで、かれのAV作品にはかれ自身がカレーを食べる姿が頻繁に出てきます。将来はカレー屋を経営することが夢のようですが、現状はAV監督業の方が盛況でカレー屋経営までには手が回らないようです。
かれのドキュメント作品の凄いところは変に演出していないところだと思います。被写体のAV女優さんの素の姿を映し出すようなところがあって、かれの作品を観ているとこの女優さん、明らかにメンヘラだなあとか、ちょっと危ないなあとか、滅茶苦茶普通で真面目だなあとかいろいろな人がいることがわかります。
かっては、日活ロマンポルノという世界から多くの有能な映画監督(神代辰巳、根岸吉太郎、森田芳光、金子修介、相米慎二等々)が育っていきました。
またそれ以降のいわゆるピンク映画界から京大映画部でちょっとだけわたしといっしょだった「ヘヴンズストーリー」の監督瀬々敬久や「太陽を盗んだ男」で過激派の犯人役で出演していた「神田川淫乱戦争」の監督黒沢清などが育っていったのですが、現在のAV界から同じように映画監督が育っていくことはありえるのでしょうか?
わたしはまだ観ていないのですが、「監督失格」(庵野秀明プロデュース)の平野勝之がそうかもしれません(でもかれはPFF出身だからちょっと違うような気もします)。
単にわたしが知らないだけで既にそういう人はいるのかもしれません。
しかし、わたしが思うに、今のAV界はそういう古い図式(AV監督から一般映画監督へ)になんら価値を見出さない新たな価値で動いているようにも思えます。なんというか演出をすべて排除した即物的な映像で極めて個人的ななんらかの真実を抉り映しだすというようなそんな映像世界に既に移行しているような気がします。そこである価値が完結しているので、そこから新たな一般映画への進出という野心というか色気というかそういうものがいい意味で予め失われていると思えるのです。
とにかくカンパニー松尾さんにはAV作品を撮り続けて欲しいです。そして、カレー屋を経営したならぜひそこでカンパニー松尾お勧めカレーを食してみたいものです。
で、最後に一番関心があることとして、カンパニー松尾とうしじまいい肉のハメ撮りAVが制作されることはあるのか?
うしじまいい肉さんはAV女優ではないので、普通に考えればあり得ないです。
でも、うしじまいい肉という人間とカンパニー松尾という人間の絡み(ハメ撮り)と考えればそれはAVという範疇を越えたエロ作品として世間には受け入れられような気がします。絶対売れるはずです(笑)。
ということで、今回はうしじまいい肉さんとカンパニー松尾さんのハメ撮り作品を期待するということで終わりにしたいと思います。 

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