新型コロナワクチンは神か悪魔か?
書きたいことがないので仕方無しにコロナのことを書こうと思う。
最近話題になっている二人の開業医、長尾先生と倉持仁先生。お二人共に開業医でありながらコロナ医療の最前線で診療をなされている。それはなににおいても素晴らしいことであり、心から応援したいと思う。ただ同じように戦っているお二人のその姿勢は若干違うようである。どちらもイベルメクチンを勧めているようで、特に長尾先生はイベルメクチンをものすごく推している。倉持先生はイベルメクチンよりもレムデシビルの方を推している感じではあるが、イベルメクチンも処方なされている。一方で、このイベルメクチンに関してはこれがコロナ治療に有効であると証明する報告がないことからその使用に疑問符を投げつける医師が多いのも確かである。特に海外在住の日本人医師や大学関係者に多いようである。わたしは現時点ではイベルメクチンの有効性をいくらRCTで検証しても有意差はでないと思っている。それはそもそもコロナ感染者の多くが何も治療しなくても治るからである。であるから初期にイベルメクチンを投与すれば治るといってもなかなかそこに統計的有意差を認めるのは難しいだろうなと思う。だからといって多くの開業医の先生がその診療で感じた、これは効いているのではないかという感覚を否定する気もない。このイベルメクチンは投与量を間違えなければ副作用はほとんどないようだし、そもそも錠剤で飲みやすいし、薬価も100円単位のもので安い。だからEBMがなくても使用してみるのを頭ごなしに否定する気にはなれない。レムデシビルは静注つまり点滴をしなくてはならず、薬価も25万円という高価なものであるのでイベルメクチンよりはその使用に慎重になるべきである。で、長尾先生と倉持先生が異なるのは、新型コロナを現在のままの2類相当(正確には新型インフルエンザ感染症等相当)にしておくか、それとも5類へと移行させるかという点である。長尾先生は5類移行を唱え、倉持先生は現在のままを望んでいる。わたしはどう考えても5類移行すべきだと思う。現状は2類相当のため保健所が介入してくるし、そのため保健所もてんやわんやで、その処理能力は破綻してしまっているようだ。保健所のためにも5類移行にして、すべての開業医が新型コロナ患者をみるようにしむけるべきである。2類相当でも開業医は長尾先生や倉持先生のようにコロナ患者を診ることはできるのであるが、多くの内科開業医は診ていない。呆れ果てたことに「発熱患者は受診しないでください」という張り紙を医院に出している開業医もいるらしい。まったく困ったものである。であるから5類へ移行して開業医が発熱患者を診るのは当たり前であるという情勢を作り出すことが大切である。それでも診ない開業医はいるかもしれないがそんなやつはこれから将来皆が受診拒否して廃業させるべきである。
医療の逼迫が叫ばれており、確かにコロナ患者を診る救急や呼吸器内科医は大変そうではある。病床の不足が言われているが、実は日本の病院の殆どの入院は不要不急のものである。入院する必要もないのに無理矢理に入院してもらっているというのが現状である。眼科でいうとある大学病院眼科は40床ほどのベッドがありそれをなんとか埋めるために通常は外来で日帰りで施行している硝子体注射を1泊入院で施行している。いやはや困ったものである。現実の日本の大病院の多くはなんとか入院ベッドを埋めるために不要不急の患者を無理やり入院させているのである。であるから今回のコロナ禍において、これら不要不急の患者たちをさっさと退院させ、あるいは入院させずに病床を空けることはいとも容易なことだと思うのだが、世の中はそのように動いていない。医療側は大変大変というばかりで、自分たちの歪んだ構造を自ら改革しようとはしていない。そもそも中小の民間病院が多くあり、そこには常勤医が少なく、非常勤ばかりで成り立っているというのは日本の大学医学部の医局講座制が元凶なのである。自分たちのバイト先病院を確保するためにそのような中小民間病院を支配下におき、おいしいところだけを吸い取るというまさに歪な構造がそこにある。だから大学の教授などはそういうことには言及しない。それを明らかにするとそれは医局講座制の崩壊になり、すなわちそれは自分のポジションを危うくすることになるからである。
であるからもしこのコロナ禍で緊急の野戦病院を設立し、医師やスタッフを集めるなら大学病院からそれは集めるべきである。大学病院には人はメチャクチャ余っている。研修医などはそういう非常時のためにこそ有効活用すべきである。大阪府は阪大の協力のもとそのような施設を作るそうで、そのあたりは他の都道府県は見習うべきである。阪大は協力姿勢を示したことで評価されるべきである。
また、コロナを扱う病院への補助金が少ないからもっと増やせというクソ意見があるが、はっきりいって政府・自治体からの医療者への補助金は莫大なものである。ワクチン接種だけで数千万円稼いだ開業医や研修医がいる。うちの病院も積極的にコロナ患者を受け入れており、その補助金は有に億を超えるもので、病院経営にとってはありがたいものとなっている。
なにか長文になったがそろそろおしまいにする。ワクチンを接種するべきかどうかはもう少し様子をみたほうがいいと思う。イスラエルが国家をあげた壮大な人体実験をやってくれており、その結果を粛々とみて、そして判断すればよい。少なくともワクチンは当初のもくろみとはうらはらに徐々に乖離し、よくない方向に進みつつあるようだが、もちろんわたしはそれを望んでいるわけではない。ワクチンによって集団免疫ができることを望む。しかし、デルタ株によってウイルス自体は確実に弱毒化してきているので敢えてワクチンで集団免疫よりもウイルスに罹って自然免疫での集団免疫の方がいいのかもしれない(インドはそうなった)。デルタ株が弱毒化しているという話に憤慨する方はこの記事(https://agora-web.jp/archives/2052832.html)を参照していただきたい。
ともかく自分の頭で考え、決断することが大切であり、それがワクチン接種になっても非接種になってもそれは他者から尊重されるべきである。どこの政党を支持するかでその人の評価を下すことがいかに馬鹿げたことであるかと同様に、ワクチンを接種したかどうかでその人の評価を変えることも馬鹿げたことである。ワクチンパスポートは医学的側面からはまったく意味がない。政治的側面からは意味がある。
それにしてもとにもかくにも生きにくい世の中になっていくような気がして暗澹としてしまうようだが、それほどでもないのかもしれない。