2013年12月29日日曜日

2013年ベスト・ワン

ガールズ&パンツァー』は、2012年10月から同年12月までと2013年3月に放送されたテレビアニメ。
全12話+総集編2話。略称は「ガルパン」。
 戦車を使った武道である戦車道が華道や茶道と並び大和撫子の嗜みとされている世界を描いた物語で、
兵器である戦車を美少女達が運用するという、ミリタリーと萌え要素を併せ持つ作品。
 戦車は主に第二次世界大戦時に使用された車輌で、IV号戦車の他、マチルダII歩兵戦車、M3中戦車、八九式中戦車ほか各国の戦車が登場し、各種車輌、船舶、航空機などの特徴は細部まで精密に再現され、
戦車は戦車好きのスタッフがこだわって制作している。

2011年から始めた年末恒例のベスト・ワンを今年も。
過去2年間と比較すると今年は豊潤な一年でした。すばらしい作品群に巡り会えた幸せな一年いえるでしょう。
まずは、小説。
SF系は前評判の高さに比べてがっかりの作品ばかりでした。敢えて作品名は書きません。これが現在のSFの主流なのならSF小説はますます極く限られたマニアのためだけのものへと収斂していくのでしょう。それはそれでいいのかもしれません。おっとそういえば年初に読んだ東浩紀の「クオンタムファミリー」は唯一とても面白かったです。これ一応SFってことでいいのだと思うのですが、三島由紀夫賞は受賞しているものの肝心の日本SF大賞は受賞していません。これがおそらく現在のSF界の不幸を象徴しているのではないでしょうか。内輪でまとまってしまっては外部からみるとなんとも惨めな姿にしか見えないのですが・・・。あっ、それからコニーウィルスの「航路」はkindleで購入したものの年末年始に読む予定でまた未読です。これには期待してます。
純文学では、といいつつあまり読んでないのでなんともいえません。毎月送られてきていた「新潮」が送られてこなくなり(理由はわかりません。おそらく献本期間が過ぎてしまったのでしょう。なにか意図的なものがあるとは思えませんし、そこまで何かを疑う類の人間ではわたしはありません)、ただでさえ純文学に触れる機会がなくなってしまいました。それでもあげるならやはり阿部和重の「ピストルズ」。発表年はもっと前ですがわたしが読んだのが今年ですので今年のベスト小説です。
とにかく文学関係ではおそらく今年あるいは来年が電子書籍元年になると思われます。ようやくといった感じですが、この勢いをさらに加速させて既存の出版形態を破壊してほしいものです。
次は漫画とアニメ。
これはとにかく良作品満載でした。「惡の華」「進撃の巨人」「キルラキル」「弱虫ペダル」といったところが頭抜けていたように思われます。
で、「惡の華」はアニメ版がなかなか冒険的な試みをしていたにもかかわらず最後は尻切れトンボで終わってしまい残念感一杯でしたので、漫画としてベストを「惡の華」としたいと思います。進撃、キルラ、弱虫はすでに多くの賞賛を得ているので敢えてここでわたしがベストにあげることもないような気もしますが、アニメであげるならやはり「ガールズアンドパンツァー(ガルパン)」となります。この作品はTV放映中は観ることがなかったのですが(あいにくニコ動でも放映してなかったので)、いつも視聴したいとは思っており、最近になってようやく全話視聴できました。で、いうことなしに面白く今年のアニメベスト・ワンとなりました。ストパンも大好きで、わたしはミリタリーオタではないのですが(それでも小中学生の頃は戦車の模型作りに熱中したものです)、それでもやはりミニタリーとオタとの相性はいいようです。島田フミカネさんの目の付け所はすばらしいですし、おそらくこれは島田さんが計算してどうこうしたというものではなく、島田さんが元々もっていた趣味嗜好がそのまま作品として結実したというものだと思います。この流れは現在では、ゲーム「艦隊これくしょん」へと繋がっているようで、わたしは最近はゲームにはあまり関心がない(というかゲームをする暇がない)のでまだよくわからないのですがもしアニメ化されたら絶対に観るつもりです。
漫画では、吾妻ひでおの「アル中病棟日記」が出色の出来でした。吾妻さんの作品では「失踪日記」なども滅茶苦茶面白かったですが、それに負けず劣らず「アル中」も面白かったです。
それからマン臭きつ子さんのイラスト・マンガも面白かった。マン臭きつ子のおりものワンダーランド でこれまで描いてこられたのですが、人気沸騰とともに商業誌で描く機会を得て、現在このサイトは休止となっています。残念ですが、それはそれで仕方がないです。このサイトで、秋元さんについての作品などはすげーーーーの一言です。
次は映画。
ふむふむ、いろいろといってもその数は少ないのですがそのなかで観終わってこれは凄いと思えたのは、過去のエントリーにあるように「桐島部活やめるってよ」と「立候補」の2作品だけでした。で、どちらかを選べていわれるとやはり「桐島・・」になります。
ということで、映画ベスト・ワンは「桐島・・・」ということで。
ちなみに園子温の作品は残念ながら観れていません。ですから対象外です。来年観る予定です。
次は音楽。
これはボカロの潮流がちょつとその勢いに翳りがみえてきたかなという印象を受けました。といっても人気そのものは絶大なものとなっており、ある意味上げ止まりという感じもなきしもあらずです。このまま一般的な人気を維持したまま音楽の確たる一分野としてそのテリトリーを確保そして少しづつ拡大していってほしいです。
で、音楽全般となるとやはり、もういうことなしで、今年はBABYMETALに尽きます(笑)。こんなに自分が熱中するとは自分でも意外なのですが、それくらい中毒性のあるなんともいえない変なユニットなのです。おそらく来年はBABYMETALにとっては大ブレークの年になると思われます。それをしっかり目に焼き付けたいと思います。
ということで、音楽ベスト・ワンは文句なしにBABYMETAL。
ちなみにPerfumeの新しいアルバム「LEVEL3」はすばらしかったです。中田ヤスタカはなかなか枯渇しませんねえ。CAPSULEの「CAPS LOCK」もよかった!

ということで総括して今年の総合ベスト・ワンは、

BABYMETAL

という当たり前の結果になりましたwwww
下に現時点でのBABYMETALの最強作品とわたしが確信している「ウキウキミッドナイト」を貼っておきます(以前に貼ったやつはアニメ版でした)。


追記;この投稿がこのブログをはじめてちょうど100投稿目になります。これまでこのブログに付き合ってきていただきありがとうございます。BABYMETALネタを書きはじめてから閲覧数が加速度的に上昇してきておりベビメタファンには頭の下がる思いです。本当にありがとうございます。そして、今後ともよろしくお願いします。
皆様がよき新年を迎えられんことを祈って、また来年!

2013年12月22日日曜日

SU-METAL聖誕祭


BABYMETALのSU-METAL聖誕祭は12月21日幕張メッセにて開催された。

これまでハードロック・ヘビメタ系でいったライブで印象に残っているのは、まず一番はカンサスの大阪フェスティバルホールでのライブです。これはわたしが初めていったライブということもあり、まだ十代だったということもありそれゆえ強烈に印象に残っているのだと思います。カンサスはアメリカのプログレッシブ・ハードロックグループで当時のわたしの一番のお気に入りバンドでした。しかし、今思い出しても彼らのライブ演奏は完璧でした。次に印象に残っているのは90年代に再結成したディープ・パープルの大阪城公園ホールでのライブ。これはなにに感動したかというとイアン・ギランが昔のままに「Child in time」を熱唱できたことなのです。かれが「Child in time」を歌い上げる姿を目の当たりにしてわたしはひたすら涙していました。本当にすばらしかったです。で、三番目が、やはりジューダス・プリーストの大阪フェスティバルホール公演。まあこれは特に驚愕することもなかったのですが待ちに待ったジューダスのライブを観れたことで感動しました。ライブアクトもいうことなしでした。
で、今回、たまたま東京での仕事がありそのついでというかまさに幸運の女神に恵まれたことによって、SU-METAL聖誕祭に駆けつけることができました!
まずは幕張メッセに着くとアリーナの人たちの待機列ができてました。すごい人だとびっくりしました。下の写真で向こうにみえるのがその列です。


で、わたしはスタンド席だったので待つことなしにすんなりと入れました。多くの人がBABYMETALのTシャツを着ていましたがそうでもない人も結構いました。わたしはもちろん普通の姿(一応、ベビメタを意識して黒に赤の線の入った革ジャンを着てました)で参戦です。男一人というのが一番多い姿でしたが、女性一人というのも結構いて、また、年齢は10代から30・40代と幅広い人たちがいました。これはベビメタの人気はドルオタに限定されたものではない本物のそれだなと感じました。
開演前のアリーナの姿が下の写真です。思ったよりもぎしぎしに人を詰め込んでいるようでした。でもきちんとwall of deathができるような隙間の配慮はある程度の詰めこみ具合ではないでしょうかwww


スタンド席もほぼ満席。開演前に会場に流れていた曲はほとんどがヘビメタでした。わたしの好きなDragon Forceも流れてましたwww開演直前には、あのゆよゆっぺの「Leia」も流れてきました。おおっーーもりあがってきました!


【巡音ルカ】 Leia 【オリジナル】


 そしていよいよ開演です。下の写真が開演直後のステージ。YUI-METALとMOA-METALが両袖から降りてきて中央へと歩を進めていきます。白装束の姿がその二人です。二人は中央でターンして奥のマリア像に向かって歩いて行きそこにSU-METALが姿を現すというかなり凝った演出からライブは始まりました。そして、オープニング曲は「ヘドバンギャー」のテクノリミックス。確か、ライブDで演られてものです。わたしはブルーレイで観ていたのですぐにそれだとわかりました。そして、このリミックスはかなり気に入っていたのでこれが最初というのはとてもうれしかったです。で、バックバンドは案の定骸骨でした。


その後のセットリストは下記のようなものだったような・・・。
記憶違いがあったらごめんなさいです。

ヘドバンギャーRemix
ドキドキモーニング
いいね!
魂のルフラン(メタルアレンジ)
ウキウキミッドナイト
ギブミーチョコ(新曲?)
君とアニメが見たい
メギツネ
イジメ・ダメ・ゼッタイ

・・・アンコール・・・・

おねだり大作戦
Catch me if you can
ヘドバンギャー
紅月(バラードver)
ベビメタDEATH

 IDZではアリーナに巨大なWODができました。真ん中から左右に分かれたWODができて、その後は阿鼻叫喚の天国でしたwwwサークルオブモッシュも常にできている感じで皆が走り回ってました。そしてその姿をみるのが楽しかったです。自分がそこにいっしょにいたいとは体力的な面からも無理だとは思いましたがwww。
で、アンコールから神バンド登場。
はっきりいって、神バンド登場以前は、やはり音的にはちょっとという感じでした。そもそもPAちゃんと仕事してるか?という感想をもってしまいました。SU-METALの声もいまいちよく響いていなかった。もしこれが本当の姿ならちょっとがっかり・・・そういう感じでした。
新曲と思われる「ギブミーチョコ」は会場で聴いた時はいまいちかなと思ったのですが、帰宅してネットでその音源をもう一度聴くとかなりいい感じでした。やはり会場のPAがいまいちだったんじゃないかと思ってしまいます。「ギブミーチョコ」はテクノハウス系でガチメタル好きな方には不評のような気がします。でもベビメタの路線としては正統といえ、これはこれでいいのではないかと思われました。
しかし、とにかくメギツネとIDZは神バンドでのライブ映像を知っているだけにライブ会場でそれを聴けなかったのはとてもとてもめっちゃとても糞めっちゃとても残念でした!
はっきり言って、骸骨でのIDZを聴いた後は、「なんだかなあ・・・」というある種の失望感にわたしは包まれました。ああ、でも骸骨自体はとても愛嬌があって楽しかったです。ずっと彼らも踊っているんですよね。その踊りがとてもかわいいのです。だから骸骨は好きなんですが、でもやっぱガチメタル曲は神バンドで聴きたい!というのが切なる思いです。
で、アンコールからようやく神バンドが登場し、なんと神バンドバージョンの「おねだり大作戦」が始まったのです。今回のライブでの一番の収穫ではないでしょうか。下にその写真を貼ります(写りが悪いのですいません。YUIとMOAはサンタ姿です)。


紅月はSU-METALがピアノ伴奏だけで歌い上げました(下の写真)。これはこれでありかなと思いました。なにせ、SU-METALの聖誕祭なのですから。ちなみに「魂のルフラン」もSU-METALの独唱でした。


 で、最後のベビメタデス。やはりこれが一番迫力がありました。フェスの時は大体この曲がオープニングを飾るのですがやっぱこれで始まるのが一番いいような気がします。ド迫力でした。最後にSU-METALは十字架に磔にされていまいます。そして、それで終演。おそらく次回に繋がる演出なのでしょう。
で、終演後には下の写真のように武道館公演の告知が流されました。それから2月に1stアルバムのリリースも。ふーむ、展開が早いですね(アルバムに関しては遅すぎるのかも)。これでいいのでしょうか?いやおそらくいいのでしょう。おそらくベビメタはそれほど賞味期間の長いものではないような気がします。それだけ刹那的なものですので一層愛着してしまうのかもしれません。


総評として、演出としての紙芝居はとてもよいと思いました。紙芝居をみるだけでベビメタのライブに参戦する価値ありのような気もします。
あとは神バンドパートをもっと増やしてほしいと思います。フェスでの神バンドとともに躍動するベビメタをみたドルオタではない一般の音楽ファンが興味をもってベビメタのライブに来て、今回のような骸骨の口パクっぽい姿をみると期待が裏切られたと思うのではないでしょうか?そういう一般の音楽ファン(それもかなりの音楽通たち)を呼び込むためにはもう少し改善の余地ありなのではとちょっと思いました(まあ余計なことなのですが)。ともかく今後ともSU-METAL、YUI-METAL、MOA-METAL、KOBA-METALそして骸骨バンドと神バンドにはがんばってほしいです。
そして、我々ファンを世界の果てまで連れていってほしいです。

2013年12月15日日曜日

ヘドバン for BABYMETAL

ヘドバン (シンコー・ミュージックMOOK)
音楽カルチャー本の終着駅……世の中をヘッドバンキングさせるムック『ヘドバン』、ついに胎動!
1号目はアイドルとメタルを融合させたBABYMETALの60頁大特集をはじめ、あんなメタルやこんなMETALを取り上げる、メタル性感度高い&脂濃い切り口でメタルを大特集!

音楽雑誌といえばわたしにとっては「ミュージック・マガジン」(以下MM)が一番に思い浮かぶのですが、まあ1969年創刊で、現在も尚刊行かれているということから老舗雑誌いや日本を代表する音楽雑誌といえるのではないでしょうか。学生時代には大貫憲章フリークのような女学生がいたことを思い出します。MMは内容も充実しており、その音楽批評自体もレベルが高かったと記憶しています。そうです、記憶しているということは現在は定期購読していないということです。すいません。もう20年以上前から読んでいません。ですから現在のMMの音楽雑誌界での評価というものは知りません。
MMの次に思い出すのは、やはり「ロッキング・オン」です。これは渋谷陽一さんが創刊した雑誌でわたしはよく読んでました。そもそも学生時代のわたしはかなりの渋谷陽一ファンで、それはかれがDJをしていたFM-NHKの音楽番組(番組名は忘れた)の影響によるものです。確か毎日曜日の午後10時からオンエアーされていたように思います。しかし、渋谷陽一さんがチープトリックを推すようになって、そしてチープトリックが日本で売れるようになる姿を目の当たりにして何かがわたしの中から崩れ落ちて、以来渋谷陽一さんにはあまり興味を抱かなくなったのでした。そもそもチープトリックって、バンド名といっしょで本当にチープな音だったという記憶があります。そんなものをあの渋谷陽一が推すって、おいおいあんたが商業主義そのもの(渋谷陽一は産業ロックなるものを批判していた)ではないかと思い、がっかりしたんだと思います。学生時代ですから本当のところはわからないのですが、厨二病的思考としてそう考えたのでした。
三番目に思い浮かぶのは、「ロック・マガジン」で、これはとてもマイナーな音楽雑誌でした。編集長は阿木譲という方で、かなり変わった人でした。なぜこの雑誌が思い出に残っているのかというとこの雑誌は京都発のものだったからです。そして阿木譲も京都在住だったと思います。ちょうどこの頃は近畿放送(現在のKBS京都)で、ポップス・イン・ピクチュア(略してPIP)という音楽番組が放送されていて当時は外国のミュージシャンを放映する音楽番組というのはめったになくてPIPはとても貴重な番組だったのです。この番組に時々阿木譲さんも出ていたような・・・。
わたしが京都での浪人時代に近畿予備校で知り合った音楽の趣味があってよく話した非常に大人びて美しい女の子がこの阿木譲の編集部でバイトしていたのです。彼女に阿木譲ってどんな人?って訊いたところ「変人」という答えがすぐに返ってきたことは鮮明に記憶に残っています。ということで、「ロック・マガジン」は記憶に残っているのですが、それでもとにかく「ロック・マガジン」の表紙はとても美しかった!下にwebでみつけた表紙を貼っておきます。

  阿木譲(あぎゆずる 1947年 - )による、関西発の音楽雑誌。
音楽評論家・プロデューサーとして活躍し、当時としては数少ないインディーレーベルの設立などで日本のロックシーンに影響を 与えた。また、「テクノポップ」という造語を生み出したことでも知られている。

で、ようやく「ヘドバン」の紹介を。
これはBABYMETAL経由で知った音楽雑誌です。メタル専門誌といってよいと思います。
もっと言うならベビメタ専門誌かもしれないwwww
創刊号ではそれくらいBABYMETALのことばかり取り上げています。しかし、それ以外にもメタル関係の情報もあり、また伊藤政則さんのインタヴューもあるというなかなか内容が充実したものとなっています。単なる音楽情報雑誌ではなく、明らかに音楽批評を目指した雑誌であり、批評的側面からBABYMETALも語られています。これはすばらしいです。BABYMETALが単なるアイドルグループでないことの証左だと思います。
2号もすでに発刊されており、そこでもBABYMETALがかなり割かれて書かれています。まさにBABYMETALとともにこのヘドバンという雑誌も成長していってほしいものです。
最後にもちろんBABYMETALの動画を。
YUI-METALとMOA-METALで作られたユニットBLACK BABYMETALの曲「おねだり大作戦」です。普通にアイドルソングと思って聴くとこれまた度肝を抜かれます。歌詞の内容がブラックです。そして曲調はLimp Bizkitというバンドの「Take a look around」という曲からのパクリいや引用いやオマージュと言われていますwwww
参考のためにどちらとも下に貼りました。



 

いかがでしょうか?
パクリではないのは明らかですが、まあ影響はおおいにありますねwww
で、しかも原曲を大きく凌駕している!
すばらしいです。
ということで、次はおそらく聖誕祭の報告となると思います。

2013年12月8日日曜日

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を観た





劇場版前後編の続編となる完全新作となっており、一部のキャラクターの設定画がクリーンアップされた。
新編の絵コンテは、スタジオジブリ出身でTV版では第10話などを担当した笹木信作が務めている。
絵コンテの総カット数は2300カットに及び、一本の映画としてはスタジオジブリで最も絵コンテのカット数が多かった『もののけ姫』の1676カットを凌ぐカット数となっている。

魔法少女まどか☆マギカの映画版の最新作「新編」叛逆の物語を観ました。
これまでの評判では絶賛が大半という好ましい状況のようでした。
で、わたしもかなり期待して観たのですが、絶賛というまでの感想は抱けませんでした。
しかし、面白かったというのは確かでお勧めの作品には違いありません!
わたしはTVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の10話にびっくり仰天してしまった口ですので、そういうこともあって、「新編」は面白いのは確かだけど大絶賛には至らないなとなったのです。それでもエヴァの序・破・Qよりは面白かったです。
序・破・Qも面白かったですので、そのレベルで「新編」は面白かったのです。ただ期待が大きかったのでその期待に応える、あるいは超えるものではなかったというのが正直な感想です。
つまりどういうことかというと、「新編」は論理的な破綻がないストーリーなのです。
とても辻褄があっている。アニメ版との整合性も見事にとれているのです。
ふむふむ、なるほどなるほど、よくできている脚本だなと感心してしまいます。
いろいろと解釈できる、深読みできる箇所も随所にあり、そういう解釈好きなオタにはますますたまらない内容となっています。
そう、陰謀論好きな人とかはこの作品を大絶賛するのではないでしょうかwww
それゆえわたしにはもうひとつということになります。
わたしは陰謀論は馬鹿にしてます。世の中、そんな整合性のとれたものじゃないよと思ってます。世の中は不条理だから面白いんだと思ってます。
だから破綻のない作品にはその限界が見えてしまうのです。
すいません。(そういえば三谷幸喜とかクドカンとかの作品にももっとひどいこぢんまりとしたまとまり感・整合性を感じてしまうのはわたしだけでしょうか?)
でも「新編」が大絶賛にまで至らなかった大きな理由はその整合性にもあるのですが、それ以上に叙情性のなさに帰結できると思っています。で、その叙情性の欠乏の原因となっているのが音楽にあるような気がしています。TVアニメ版では非常に叙情性のある音楽が流れていました。そしてそれが魔法少女たちの暗い情念とうまくマッチして、観るものに哀しいまでの叙情をひきこしてくれたような気がしています。
その叙情のための重要な音楽が「新編」では欠けていた・・・というのが、わたしが大絶賛に至らなかったもうひとつの大きな理由だと思っています。
ほむほむがああいうようになるのはいいのですが、いや、ああなるべきなのですが、それでそうなったらそこにはそれで哀しい情念が湧出してくるようなそれをどういう形で表してくれるか・・・そんなところに応えてもらえなかったのがちょっとした欠点になったのかもしれません。
ただ、最初から期待値が大きかったという点で「あらかじめ大絶賛という評価が失われた不幸な作品」とも言えます。
TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」も観ずに、この映画を観るとびっくり仰天するかもしれません。いや、おそらくなんのことかわからずに困惑して、立腹するだけかもしれませんwww
今回、この流れでどうやってBABYMETALネタにつなげようかと思いましたが、無理なものは無理なのでそういうことは止めておきますwwww
でも次回はベビネタDEATH!

2013年12月1日日曜日

邦楽HM/HRの歌姫たち〜カルメンマキからSU-METALまで〜


カルメン・マキ(1951年5月18日 - )は、神奈川県鎌倉市出身のロックミュージシャンである。
アイルランド人とユダヤ人の血を引くアメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。
1969年に「時には母のない子のように」(作詞:寺山修司、作曲:田中未知)でデビュー。累計でミリオンセラーの大ヒット。ちなみに、当時の彼女の曲の作曲は武満徹やクニ河内が、作詞は前述の寺山修司や谷川俊太郎が、それぞれ手がけている。
1972年にはギタリストの春日博文らとともに「カルメン・マキ&OZ」を結成。

日本のロックシーンにおいて記憶に残っている女性ボーカリストとなるとまず一番に浮かんでくるのはやはりカルメンマキ&OZのカルメンマキです。
元々は、わたしが敬愛する寺山修司作詞の「時には母のない子のように」でデビューして脚光を浴びるわけですが、その後は自らの意志(ジャニス・ジョプリンの影響)で、ロックボーカリストへと転身していきます。今でも元気に現役で活躍なされています。素晴らしいです。
彼女の曲で一番印象に残っているのがやはり一番有名な曲で「私は風」というやつで、これは長谷川和彦監督「太陽を盗んだ男」のなかでも使われていることもあり非常に記憶に焼き付いています。

 

いかがでしょうか?入の静けさが途中で打ち破られ激しいロックへと転調していきます。
「チュッチュッチュウ−−」というハミングがやけに耳に残っています。
で、カルメンマキの次に印象に残っているのが、SHOW-YAの寺田恵子さんです。そして、この寺田さんはカルメンマキのファンでもあり、「私は風」へのオマージュ作品として「私は嵐」という曲を歌っています。

 

二人共、迫力満点です。素晴らしいです。この時点で、邦楽のHRでもほぼ完成度は頂点を迎えているといってもいいような気がします。ですから同じ路線でHRやHMをやっても時代遅れ感満載となるのは必然ではないでしょうか。
そういえば赤坂小町(後のプリンセス・プリンセス)とか浜田麻里とかいう歌謡ロックもありましたがあまり印象には残っていません。軟弱で凡庸という印象しかありません。
 で、その後、BABYMETALのSU-METALに出会うまではいわゆる歌姫というものには出会っていないわけですが、敢えて曲限定でいうなら「Count Down」のCOCCOと「Rolling Star」のYUIには感銘を受けました。が、二人共、HR/HMのボーカルではないので結局はわたしの記憶のなかには淡い足跡しか残していません。でも、この二曲は本当に鮮烈でした。

 

 

残念なことにCOCCOは精神の病を来したようですし、YUIもなんか金髪になってインディーズバンドに転身したような噂をききましたが詳細は知りません。どちらにしてもハチャメチャでわたしの評価が間違っていなかった証拠です(笑)。二人共まじで哀しいくらいのアーティストで、歌姫です。狂いながらも頑張ってほしいです。
で、最近お決まりのBABYMETALネタへ。
そう、邦楽ヘビメタ最終兵器歌姫SU-METALについて。といっても正直いって、そこまで絶賛できるものではないような。これからの成長を待ちたいと思いますし、必ずや成長していくものと思われます。現時点での彼女の歌姫としての代表曲は「紅月」ということになるのでしょうが、もっと皆を唸らせる楽曲の誕生を期待したいです。そのためにもKOBAMETALさん、がんばってください。




2013年11月24日日曜日

君とアニメが見たい(キバオブアキバ×BABYMETAL)

キバオブアキバとは、日本の京都発ヲタイリッシュ・デス・ポップ・バンドである。
 2008年に結成。2011年タワーレコード限定シングル「CD付きヲタイリッシュ缶バッジセット」でデビュー。
2012年3月にBABYMETALとコラボ。シングル「BABYMETAL×キバオブアキバ」リリース。
2013年「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」がTVアニメ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」のオープニングテーマに鈴木このみ n' キバオブアキバで起用された。
余談だが、彼らの目標はアニメ化であって、武道館ではない。(ニコニコ大百科より)

今年のアニメはどう考えても豊作のように思われます。「惡の華」に始まって、「進撃の巨人」「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(これは今後通称「ワタモテ」を使用します)、「キルラキル」と目が離せない作品が続いています。
「惡の華」と「進撃の巨人」は言うことなしに面白いのでここではあまり言及しませんが(「惡の華」は以前のエントリーで言及しました)、「ワタモテ」は面白いのは面白いのですが、やややり過ぎ感があるような気がわたしにはするのですが、現在の学校のコミュ障害の子供たちの現状を知らないだけだと言われるとそうなのですかと謝らざるをえないのですが、まあ、そんなマジに観るのではなく、ネタとしてみてもちょっとついていけない部分もある全面的に面白いとは言いかねるのですが、そこらへんに数多く転がっている凡庸なアニメと比べると出色の出来には相違ありません。で、その「ワタモテ」のOP曲を歌っているのがキバオブアキバというバンドです。この曲をは初めて聴いた時に、女性のボーカルとデスボイスの融合が見事で素晴らしいと感じたのですが、その時は、BABYMETALのことなど露知らずで、面白い才能あるバンドがそれも京都から出てきたとはうれしいなあと思っただけのことでした。

 

しかし!
そう、BABYMETALを知り、それに魅了されるにつれ、その持ち歌「君とアニメを見たい」がなんとこのキバオブアキバとのコラボ曲であることがわかり、めちゃ感動してしまったのです。
こんなところで繋がっているんだとひしひしとBABYMETALの偉大さを身にしみて感じました(笑)。
この曲で一番好きな歌詞は、以下のところ。

君とアニメが見たい
アニメが見たい
アニメが見たい
君となら無駄に長い
あの作品を乗り越えられる

そうです。無駄に長いあの作品を乗り越えられるwwwww
いいですねえ。
それではキバオブアキバヴァージョンとBABYMETALヴァージョンの「Animation With You(君とアニメが見たい)」を下に貼っておきます。歌詞がちょっと違いますので要注意です。




 

敢えてBABYMETALネタを書くつもりはないのですが、なぜかすべてがBABYMETALに繋がってしまう昨今でした。

2013年11月14日木曜日

TarjaとSharon、そしてSU-METAL。

Within Temptationの新曲;Paradise(What About Us?)
これまで全世界で300万枚のCD/DVDセールスを記録し、ワールド・ツアーでは50万人を動員。
ヨーロッパはもちろん世界中で絶大なる人気を誇るオWITHIN TEMPTATION。
美しい容姿のフロントウーマン、シャロン・デン・アデルを擁した、オランダ出身のシンフォニック&ゴシックメタル・バンドが、新曲4曲を収 録したビクター移籍第一弾作品となる最新EPを発表。
タイトル・トラックの“Paradise (What About Us?)”は、
シンフォニック・メタル・シーンもうひとりの歌姫、ターヤを迎えたデュエット曲。
シャロンとターヤのデュエットが正式にレコーディングされるのは今回が史上初。
まさしく二大歌姫の夢の共演となった。

いつものようにお風呂で有線の伊藤政則コレクションを聴いていると、聴き慣れた感じのメロディーが聴こえてくる。
むむむっ、これはもしかしてWithin Temptationではないか?
Within Temptationのアルバムはすべて持っているので、全曲既聴のはずなのだが、聴いたことのない曲ではある・・・が、聴きすすめていくと全然カッコイイメロディーではないか!それにボーカルの声はどう考えてもWithin Temptationのシャロンに違いない。
こ、これはもしかしてWithin Temptationの新曲?
そうにちがいない・・・・で、途中でこれまた聴き覚えのあるボーカルの声が聴こえる。
ちょっ、ちょっ、これNightwishのターヤではないの?
ええっ、そんなシャロンとターヤが共演することってあるの?
なんかびっくりして何が起こっているのかわからなくなる。
これはのんびりと湯船につかっている場合ではないと考え、早々に入浴を切り上げ、例のごとくネットで有線にアクセスし、先ほどまで流れていた曲が何かをチェック!
で、すぐに発見!
予想通り、Within Temptationの新曲でした。
おまけにそのタイトルは「Paradise(What About Us?) feat. Tarja」となっているではありませんか!!!
げげっ、やはり元Nightwishのボーカル、ターヤが共演しているのです!
す、すごすぎる・・・。
Nightwishはフィンランドのシンフォニック&ゴシック・メタルバンドで、Within Temptationはオランダのシンフォニック&ゴシック・メタルバンドです。
どちらも90年代中頃から活動を始め、女性ボーカルを擁して世界的な人気をはくしたメタルバンドなのです。ある人は、シンフォニック・メタルと呼び、ある人はゴシック・メタルと呼ぶというようにその呼び方は様々ですが、まあどちらでもいいのでわたしは両方併せてシンフォニック&ゴシック・メタルと呼ばさせていただきます。
昔からどちらのバンドも大好きで(Within Temptationの曲はわたしの動画にも使用させていただいてます)、特にターヤはメタル界のベスト女性ボーカリストだと思ってます。シャロンも素晴らしいですが、さすがにターヤには勝てません。ターヤの声量とその高音の伸びは凄まじいです。ターヤは学生時代にクラシック音楽で声楽を学んでいますのでその声質は本物です。まずはこの曲を聴いてみてください。ターヤの凄さをまざまざと実感できます。

 顔はちょっといかついですが、迫力満点です。すばらしいです。で、このターヤ、2005年にNightwishを解雇されてしまいました。原因はいろいろあったようですが、ただただ残念なだけでした。ターヤに代わって入った新しい女性ボーカルもなかなか素晴らしい方でしたがそれでもターヤには及びませんでした。やはりNIghtwishにはターヤが必要と考えるのですが、戻ってくることはないんだろうなあ・・・・。 で、代わって、Within TemptationのシャロンはこのPVを御覧ください。
シャロンも素晴らしいのですが、高音の伸びがターヤほどではありません。それに声圧自体もターヤに比べると細い感じがします。迫力という点では外見的にもターヤには及びませんwwwこれは良い方に捉えるならシャロンの方が女性的であるということです。ですからシャロンの方が男性ファンは多いと思いますが、わたしはターヤの方を支持します。ファンというのではありません。純粋にボーカルとしてターヤに及ぶものはいないと断言できます。 以前、この二人がライブでWithin Temptationの曲をデュエットしたことがあったのですが(YouTubeにupされてました)、それではやはりターヤの方がうまかったとおぼえています。で、とにかくこの二人が正式にデュエットしたということで喜ばしい限りです。 で、またこの曲が素晴らしい! それがこれです。
素晴らしいです。本当に素晴らしいです。この曲では、シャロンもターヤには負けていない感じです。でも、わたしがみるとやはり迫力はターヤの勝ちですwwww そしてこの二人に比べるとBABYMETALのボーカル、SU-METALはなんともたよりない気がします?いやいや、そんなことないですよ。サマソニでもライブをみる限りがんばってます。下に貼りました(元動画は削除されてしまったようですので、下のリンクをクリックしてください.。ニコ動へリンクしてます)。


ライブでここまで高音が伸びて、歌いきれるというのは素晴らしい限りです。
SU-METALが将来のジャパメタの最強歌姫になるのは間違いないことでしょう。
ということで今回も締めはBABYMETALでしたwww

2013年11月6日水曜日

さらにBABYMETAL & 神バンド

BABYMETALの背後で演奏する神バンドの面々。
主なメンバーとしては、ギターが 大村孝佳、Leda、藤岡幹大、ベースがBOH(棒手大輔)、ドラムが青山英樹など。日本屈指のテクニシャンたちが集結して壮大な音圧を奏でる。

またまたBABYMETALです(笑)。
夏フェス等でのライブの素晴らしさとと共にBABYMETALの人気はアイドルオタを越えて、メタラーや一般のロック好きの心も捉えてきているようです。
その一つの大きな原因として神バンドの存在があるといえます。ライブでの彼らの演奏は凄まじいばかりで、アイドルに興味のない、あるいはアイドルなんてとアイドルを毛嫌いする音楽ファンさえも彼らの壮絶な演奏を目の当たりにして、BABYMETALをみる目が一変してしまっているようです。
わたしは、BABYMETALのコンセプトからそしてその楽曲の素晴らしさから関心を抱くようになったわけですが、この神バンドの演奏をYouTube等で聴くにつけますますBABYMETALから目が離せなくなっています。
人気の上昇とともにBABYMETALのWikipediaもその中身が充実してきており、神バンドのメンバーもかなり詳しいことがわかるようになっています。
そして、わたしがびっくりしたのは以前のサポートメンバーとしてわたしの大好きなBlood Stain ChildのRyoさんがいたことです。
おおっ、それならBABYMETALが将来ブラステの曲をカバーすることがあるかもしれないなどと考えるとなんか胸アツですwwww
また、もう一つ知って驚いたことは、BABYMETALの曲のアレンジャーとしてゆよゆっぺが関わっているということです。
ゆよゆっぺはボカロPで、ニコ動ではおなじみの方です。
ゆよゆっぺの曲はどれもドライブ感満載でメタリックでメロディアスな感じでわたし好みなのですが、自分のiPod shuffleに録して一番よく聴いていたのが、ゆよゆっぺがアレンジした東方の「Bad Apple!」でした。この「Bad Apple!」メタル版というようなアレンジはまさにゆよゆっぺの独壇場ともいうべきものです。この曲をBABYMETALがカバーしてくれたらうれしいんですけど。



そして、このゆよゆっぺの素晴らしいアレンジが施された曲が下に貼ったBABYMETALの「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」という曲です(ゆよゆっぺは、「BABYMETAL DEATH」等の他の曲もアレンジしています)。

聴き始めるとその歌詞の変なところからアレルギーを感じてしまう方も多いかもしれませんが、曲自体は素晴らしいです。昨今流行のダブステップまで登場してきます。そして、変と思っていた歌詞、たとえば「ゲソ!ゲソ!イカゲソが食べたい! あたしはスルメ派なーの! やだ!やだ!おじちゃんみたい! キャワイイお菓子にしようYO!」とか「アゲポよーで キンキラリーン!」などが何度も聴くうちに麻薬のような作用で耳にそして脳髄へと馴染んでくるのです。 これはやばい! 筒井康隆が阿部和重の「ピストルズ」を批評する際に、その文章がまさに麻薬のような作用を醸し出していると述べたように、BABYMETALの多くの楽曲のまるで人をおちょくったようなふざけたというかユーモア一杯というかバカバカしいというかここ笑うとこというか奇妙な歌詞はおそらくBABYMETALマニアにとっては麻薬にようなものに違いないのです。この歌詞は危ない化学反応を催す絶妙な仕掛け・化学物質のようなものです。 そして、そのハイレベルの歌詞をBABYMETALの女の子たちはマジに歌っているというなんというアンバランスさ。その奇妙に歪んだ空間こそがBABYMETALの真髄のような気もします。 で、もしかしてこのBABYMETALのアイドルとメタルの融合というコンセプトは本当に新たなメタルカテゴリーになり、それはジャパメタルと評されるかもしれない可能性を秘めていると思われます。日本のメタルは所詮本家メタルのモノマネに過ぎないような気がします。いや、バンドによっては本家も凌駕しているほどの素晴らしいものもあります。しかし、日本独自のものかといわれると確かにどうかなと思われてしまうのです。敢えていうならX JAPANがかなり日本独自のメタルといえたような気がします。それは歌謡メタルともいうべきものです。また、アニメタルも日本独自のメタルジャンルといえると思います。このアニメタルが進化した形が、BABYMETALなのかもしれない。 とにかく、まさに新たなジャパメタルの誕生を我々は目撃しようとしているわけです。 Perfumeのような感じで、世界的なアーティストとしてBABYMETALが成長していってくれんことを祈ってます。 最後に初めて聴いた時は曲はクサメタルでカッコイイのに歌詞が変!と思った「いじめ、だめ、ぜったい!」(略してIDZというらしい、これならかっこいいww)も何度も聴くとこの変な歌詞に病みつきになります。自分が怖いですwwww

イジメ、ダメ、ゼッタイ

2013年10月31日木曜日

UTAUとResolutionとDurutti Column

UTAUとは、飴屋/菖蒲(あめや・あやめ)がフリーウェアとして配布している、
Windows、Mac OS用歌声合成ソフトウェアである。2008年3月に配布が開始された。
 歌唱合成ソフトでは、「ユーザーが声を採取して作成した音源を歌唱(音階の調整など)させることが可能」なソフトの一つである。代表的なUTAUキャラとして重音テト、デフォ子などがある。

一年前?くらいからニコ動のボカラン(ボーカロイドランキング)にも別枠としてUTAUランキングなるものがつくられ、毎週のUTAUで作成された楽曲のランキングがわかるようになったのですが、どうも最近はメインのボーカロイドランキングにランキング入りした楽曲よりもこちらのUTAUにランキングインした楽曲の方が面白いものが多いような気がするのはわたしだけでしょうか?
ランキングを作成するために各曲は再生数やマイリスなどから点数化されるのですが、その点数はボカロとUTAUとではさすがに雲泥の差です。UTAUでトップの点数でもボカロではベスト30のランキングにさえ入れないことが多いです。それだけUTAUはマイナーであるとはいえるのですが、マイナーゆえの面白さというものがここにはあるのです。ボカロは視聴対象者がかなり拡大したことにより楽曲そのものもかなり凡庸化した感があります。それでも勿論すばらしい曲が時にはうpされ続けてはいますが、昔に比べるとその頻度が減った感じがしてなりません。
ちなみにボカロとUTAUの違いですが、歌声合成ソフトという点では同じですが、UTAUはフリーソフトで「ユーザーが声を採取して作成した音源を歌唱させることが可能」であり、ある意味無限に様々な歌声を生成できるのですが、その調教にはかなりの腕が必要とされるようで使い勝手という点からは、有料でメーカーサポートの付いているボカロの方がより容易に使用できるということです。といってもわたし自身が使用した経験はないのでよくわかりませんが・・・。
先日、このUTAUランキングに懐かしいボカロPの曲がランキングインしてしかもトップを奪取しました。それが下の曲です。


バンドリストPというボカロPの新作です。なんとなくクサメタル風でいい感じです。こういう曲が1位を獲得するというのがUTAUランキングの現状です(勿論良い意味で)。
このバンドリストPの昔の作品にはすばらしいものがありそのひとつが下に貼ったロシア語で歌ったトランス風の楽曲です。実際、この題名はなんと発音するのかよくわかりません。落ち着いた曲ですのでオペ室で流れる時があります(オペ室ではiPhone4がAUDYSSEY社のスピーカーに繋がれてランダムに曲を流しています)。
上の曲とはかなり曲調が違いますがどちらもわたし好みに違いありません。この曲、発表当時は当たり前のようにボカランで1位獲得してました。   
ということで、最近はボカロ曲よりもUTAU曲の方をマイリスすることが多く、そのなかでも特に気に入った曲が下の曲です(なぜか動画を貼り付けることができません。とりあえずリンク貼っておきました)。
話は変わりますが、最近ニコ動ランキングに急に登場した下の曲。ガンダムXの曲をイタリアのヘビメタバンドがカバーしたものですが、これがランキング上位にインしてその曲のすばらしさが広まると同時に原曲であるROMANTIC MODEの曲も人気急上昇です。 わたしはガンダムの登場からその拡散をつぶさに見聞きし体験してきたものですが、それほど熱中したわけでもなく、同時代のものとしては大友さんや押井さんの作品の方がずっと質が高かったためそちらの方により関心が向かい、どちらかというとガンダムには程々に付き合った程度のものです。ですからこのResolutionという曲もまったく知りませんでしたが、今聴いてもすばらしい曲だというのはよくわかります。この曲がガンダムの最初からのOP曲ならもっとガンダムを気を入れて観たのかも。なにせガンダムの最初のOP曲(「たちあがーれ、たちあがーれ、ガンダム」というやつ)はあまりに臭くて(クサメタルの場合、「くっさー」というのは褒め言葉ですが、この場合は違います。明らかにダメということです)、どうもガンダムというアニメ自体を観る気が失せた記憶があります。 しかし、このROMANTIC MODEのボーカルの女性の声量のすばらしさには感心するばかりです。この方は現在もミュージシャンとして活躍なされているようですので再び脚光を浴びることになればいいのになあと思ったりもします。ニコ動ではこの方の昔のTV放映映像がうpされていますので興味ある方はどうぞ→こちら で、下にそのイタリアのメタルバンドがカバーしたやつと原曲を貼っておきます。
まあいつも言っていることですが、昔は次から次へと新しい作品が出て消費され昔の作品はごく一部のものだけが生存して他のものは廃棄されていくだけでしたが、ネットの発達によりそれがなくなったのはありがたい限りですね。 こんなものも視聴できますよ!って、これを知っている人がどれだけいるのでしょうか?

Durutti Column "Never Know"

2013年10月11日金曜日

Close my eyes foreverからmetallicaそして再度BABYMETAL降臨

「Close my eyes forever」は米国のguitarist Lita Fordの3rd album(1988年release)に収録された曲。Ozzy Osbourneとのduetで話題を呼んだ。


わたしの家のバスユニットはヤマハ製(ヤマハはお風呂も作っているのです)で、ヤマハ製ゆえにヤマハ製の立派なデュアルスピーカーを付けており入浴しながらかなり良い音質で音楽を聴くことができるようになっているのですが、わたしは主に有線(10年くらい前からsound planetというやつに契約してます)のB21chつまり伊藤政則セレクトメタルチャンネルを聴いています。伊藤政則は高校時代にJudas Priestを聴き始めてからの尊敬する音楽批評家で、当時のジューダスのアルバムに書かれたライナーの素晴らしさは伊藤政則さまさまでした。以下に一例を。

ジューダスプリーストよ、僕は歩兵でいい。喜んで最前線に切り込んで行こう。
今更遠慮てするなよ。かまうことはない、この僕の体を踏み越えて、さあ栄光の王冠を握ってくれ。
君たちの栄光は僕の誇りでもあるのだから。もう僕は君たちにこの身の全てを委ねた。

 素晴らしいですねえ。で、先日、お風呂でこの伊藤政則チャンネルを聴いているとそこにあの懐かしい曲「close my eyes forever」がかかってきたではありませんか。それも新しいアレンジのものです。これが、とてもかっけええーーーでした。お風呂かた出るとすぐに有線のサイトにアクセスしてこの曲がどのアーティストのものかを調べました(すぐに調べることができるのです。有線さまさまです)。するとDeviceというプロジェクトグループのものであることがわかり、今年4月にリリースされたアルバムの中に収録されていることがわかりましたので早速iTunesで購入しました。他の曲もすべてメタル曲でしたが、やはりこの「close my eyes forever」が出色の出来でした。
この「close my eyes forever」はわたしが米国に留学している時によく街に流れており、また、むこうのメタル専門ラジオで頻繁に流されていました。そして、歌詞が簡単で日本人のわたしにもすぐにわかり親しみやすかったこともあり、わたしはこの曲がすぐに好きになったのでした(単純です)。下にDeviceとオリジナルのLita&Ozzy版を貼っておきます。
 

トップの画像に書かれた歌詞が繰り返される、そしてその歌詞の内容にとてもとてもひかれたことを思い出します。それはわたしには寺山修司の赤糸で縫い閉じられた物語を想起させ、赤糸で瞼を縫い閉じる光景を思い出させるのでした。 当時、この曲と似たようなタイトルで「Don't close your eyes」という曲も流行っていたような気がします。これもよく聴きました。ただ、歌詞の内容は大したことはありません。
 

Kixというバンドですが、一発屋で終わったような記憶があるのですがよく知りません。でもこの曲だけはよく聴きました。 で、留学中の当時、その他によくラジオから流れてきたのが、metallicaの「nothing else matters」です。これもよく聴いたなあああ。感心するくらいよく聴きました。


メタリカは今も活躍しているメタルバンドの大御所です。わたしくらいの年齢のメタルファンになると大御所はやはりジューダスということになり、メタリカなんて甘っちょろい・・てなことにもなるのですが、まあそこはおさえておいて、メタリカいいですねえ。でもメタルは2000年以降から様々なジャンルに分かれていき、裾野が広くなった感じでどんどん進化していっている感じがします。現時点ではわたしはトランスメタルがイチオシです。 で、このメタリカが今年のサマソニで絶賛した日本のメタルアーティストが、過去のエントリーでわたしも推したあのBABYMETALなのです。ニコニコ動画に今年のサマソニでのBABTMETALのライブがうpされました(WOWOWでオンエアーされたものです)。これが凄まじくすばらしい!「神バンド」という生バンドがバックにつき、このバンドの生演奏はまさに「神 」です。ちなみに並みいるバンド(メタリカも含む)を差し置いて、BABYMETALは今年のサマソニベストアクトをゲットしたそうです。げげげっ・・・これはBABTMETALは頂点まで登りつめるかもしれない・・なんてことを期待しました。 このライブの模様は、ここ(ニコ動)で視聴できます。


そして、このBABYMETALのライブブルーレイが11月に発売されるとのこと。そのtrailerが以下です。

BABYMETALすごいなあ・・・・。ほんとすごいDeath!www
ということで、今回はメタルばかりでした。
でも本当は、メタルよりもプログレの方が好きなのです・・・・他にミニマムミュージックも好きだし、テクノは勿論だし、クラシックも勿論だし、現代音楽も好きだし・・・どうも見境がないだけのような気がします。すいません。

2013年9月23日月曜日

映画「立候補」を観た。

羽柴誠三秀吉、外山恒一、マック赤坂といった泡沫(ほうまつ)候補が、
敗れようと何度でも選挙に立候補する目的と原動力に迫るドキュメンタリー。
選挙に立候補するも、ほぼ負けるだろうと言われ続けてきた候補者たちの選挙活動を追う。
メガホンを取るのは、『フジヤマにミサイル』に続いて本作が2作目となる藤岡利充。
供託金を支払い、選挙活動を行い、奇異の目で見られながらも立候補する彼らが、
その理由を明かす様子は注目。
(YAHOO!映画より)

前々からこの映画「立候補」は観てみたいと思っていたのですが、上映館がひどく限られていたためその機会もなく、またいつかどこかでWOWOWとか邦画チャンネルとかで放映されるのを根気よく待つしかないのかなあと思っていました。そんな折、ツイッターで蛭田亜紗子さんがこの映画を観て、ラストは涙が止まらなかったと呟いていたので、ますます観たくなった次第なのですが、ちょうどそんな折(再度登場)、ある医療機器メーカーの新製品に関するadvisery boarding meetingというものに出席するために東京へ行くことになり、旅費・宿泊費すべてメーカー持ちというラッキーな機会に恵まれたため、これはまさに「立候補」を観る絶好の機会以外なんでもないと思い、東京東中野にあるポレポレ東中野まで「立候補」を観に行きました。
ポレポレ東中野は名画座のような劇場で、京都なら今なら京都シネマ、昔なら朝日シネマとかもっと昔なら京一会館のような感じの雰囲気がありました。「立候補」は午後7時からの上映1回のみで、観客は20人くらいだったと思われます。本当は一桁を予想していたのですが、意外に多かったです。
で、映画「立候補」ですが 、メインのキャラはマック赤坂氏です。主として前回の大阪府知事選の選挙模様を追っており、7人の候補者のうち、いわゆる泡沫候補といわれる4人にインタヴューをとり、選挙活動の模様を写しています。この泡沫候補が皆すべてかなり変わった人たちでした。皆がある意味、愛すべきキャラでした。で、マック赤坂氏以外の泡沫候補者たちはほとんど選挙活動なるものはしていないというのが現実でした。そもそも組織というものがなく、個人で立候補した人たちばかりでした。この人達のドキュメンタリーをもっと深く掘り下げていくととてつもない作品になりそうな予感があるのですが、彼らがそこまで取材に応じてくれるというのは難しいというのが現実のようです。
で、映画はこの泡沫候補の一人であるマック赤坂氏の選挙活動の様子を写していくのですが、これがまあメチャクチャです。マック赤坂氏は本当にメチャクチャで、真のアナーキストといえるような気がします。組織なるものはやはり存在せず、唯一の秘書はアルバイトで雇われた櫻井さんという中年男性ですが、この方もいろいろと癖がある方で面白い。そして、マック赤坂といっしょに選挙活動していくうちに人柄が変化していくのがわかります。なんかマック赤坂とともに人格が破綻していっているようなそんな気がします。でも彼には家族があり、子供があり、そんな姿もカメラは写していきます。
マック赤坂の息子は父親の貿易会社(といってもかなり小さい)の経営を引き継いでいるのですが、この大阪府知事選の時は父親のやっていることに不平不満を漏らしていました。が、その後の衆議院選挙東京地方区ではなんといつのまにか秘書みたいな役割になって櫻井さんと同様に狂っていってます(いや覚醒したという方が正しいのかも)。その姿があまりにすばらしい! 
大阪府知事選の最終日、橋下・松井陣営の街頭演説に自分の街頭演説カーで乗り付けて演説を始めるマック赤坂に向かって橋下・松井支持者たちからの強烈なヤジが浴びせられます。それでも必死に演説をするマック赤坂。なんなんだ、これは・・・・こんな場面、ニュースでまったく放映されてないぞ・・・思わず、マック赤坂はメチャクチャやけどこんなんやったらそのメチャクチャなマック赤坂支持するしかない!と叫びたくなりました。そして、これはすなわちわたし自身もがマック赤坂の狂気に巻き込まれてしまっているその証左にすぎないのでしょう。でもマック赤坂の情けないところは、橋下氏に演説の時間を与えてもらい、しまいに橋下氏の政策を支持するような演説をしてしまうというところです。あーー、このヘタレぶりがまたかわいいではありませんか。
次の衆議院選挙では、東京秋葉原で安倍首相の街頭演説に同じようにマック赤坂は闖入します。そして、集まった自民支持者の罵声を一身に集めます。そんな自民支持者に向かって挑発するのがあの息子なのです。なんじゃ、こりゃ・・・すごすぎる・・・。
負けを覚悟で望む戦というものが美しいものであるのは間違いありません。
ここに登場する泡沫候補者というのは真っ当な視線で評価するとメチャクチャな人たちに他なりません。でも、そんなメチャクチャな人たちにもなんというか言いようのない誇りと正当性と美しさが隠れているのです。
この「立候補」という映画を面白いと思える人は現時点では少ないと思います。いやでもそうでもないかもしれない。多いかも・・・面白いと思える人が多くなるとそれだけこの社会は成熟したものと言えるのかもしれません。現代の日本社会はそこまで成熟してきているでしょうか。
ちなみに映画の宣伝で、外山恒一氏や羽柴秀吉氏という泡沫候補についても述べられていますが、登場する場面はほんのわずかです。外山恒一氏の東京都知事選での選挙演説は秀逸でした。昔、YouTubeで初めて観たときはびっくりして爆笑しました。こんなすごいお笑いは今までに経験したことがないと思いました。これぞ真のお笑いではないかと思いました。糞吉本芸人たちには到達どころか幻視さえすることができないお笑いの頂点を観た思いでした。下に外山恒一氏の伝説の演説とマック赤坂氏の演説を貼っておきます。
「立候補」を観終わって、わたしは涙は出てきませんでした。それでもなにがどうというのかうまく表現できないぐちゃぐちゃした感動が頭のなかに渦巻いていました。それだけすばらしい作品でした。


          


2013年9月17日火曜日

阿部和重はえらい

阿部 和重(あべ かずしげ、1968年9月23日 )は、山形県東根市神町出身の小説家。
日本映画学校卒業。演出助手などを経て、1994年に『アメリカの夜』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1997年の『インディヴィジュアル・プロジェクション』で注目を集める。
テロリズム、インターネット、ロリコンといった現代的なトピックを散りばめつつ、物語の形式性を強く意識した作品を多数発表している。2004年に『シンセミア』で伊藤整文学賞および毎日出版文化賞を、2005年に『グランド・フィナーレ』で芥川龍之介賞(芥川賞)をそれぞれ受賞。『シンセミア』をはじめ、いくつかの作品には「神町」を中心とする設定上の繋がりがあり、インタビューなどでは「神町サーガ」の構想を語っている。
(wikipediaより)

阿部和重は確か昔「アメリカの夜」と「インディヴィジュアル・プロジェクション」を読んだ記憶があり、それほど印象には残っていなかった、というか当時はわたしも執筆活動をしていたので影響されないように意図的に避けているような感じがあり、上記2作も実は素直に読めていなかったような気もします。で、その後の作品は読んでいなかったのですが、「□」と「シンセミア」が電子書籍化されているのを知り、Kindleで読みました。
「□」はまあこんなもんかなあとそれほど印象に残るものではなく、でも面白いといえば面白いというぼやっとした印象しか残らなかったのですが、「シンセミア」はとても面白かったです。長編ですので、読むのが苦痛かなあと思ったりもしましたが、そんなことはまったくなく(面白い作品は長編でもその長さがとても大事になってどちらかというとまだ終わらないでくれえと思ったりもするわけです)、久々に文章を読むことに贅沢な時間を感じることができたすばらしい作品でした。この「シンセミア」の紙書籍はかなり分厚くてそれだけで読む気が失せるのですが、電子書籍になるとそんなことはまったく感じることがなく、薄くて軽いkindle端末でさくさくと読めるわけです。これは本当に楽です。
「シンセミア」の内容ですが、まあそれについては敢えてここで書く必要はないと思います。数多くの登場人物がいます。舞台は、阿部和重の出身地山形県神町です。そうそう阿部和重の神町3部作について、それらを中上健次の熊野の作品と比べる批評等が多く、それがわたしを阿部和重から遠ざける理由のひとつになってました。中上健次は初期作品はとても好きなのですが、「枯木灘」以降の熊野を舞台とする作品はどうも肌に合わないというか読んでいても面白いと思われないので、同じような作品なら勘弁だなあと思い、読むのを躊躇っていました。しかし、ここで電子書籍化されたのがよい機会と思い、読んだのがよかった!登場人物ほぼすべてがろくでも無いやつらばかりです。いやはや、愛すべきというキャラはほとんどいません。わたしは中山という警察官だけは愛すべきキャラだと思いましたが。そんな神町の人々を描いた作品ですが、本当にすばらしいです。ストーリーがどうのこうのはどうでもいいです。神町の人々が本当にすばらしいです。でも、おそらく、いや絶対に神町の実際の人たちはこの「シンセミア」を読むと腹が立つでしょう。神町の人々がみなこんなろくでもない人間だとは思わないでほしいと訴えるでしょう。いや、それくらいこの「シンセミア」はすばらしいです。
この続編にあたる「ピストルズ」もすぐに読みたいと思い、電子書籍を探しましたがありませんでした。残念。仕方なく書籍を購入しました。で、届けられた書籍をみて、唖然。分厚いやんけ・・・。これでは寝転がって読めないやんけ、くそっ!ということで本自体は手元にあるのですが読み始めることはなかったのですが、豈図らんや、今月になって「ピストルズ」も電子書籍化されたのです。
阿部和重はえらい!
紙書籍を購入したのにもかかわらず、わたしは電子書籍版も購入しました。これでさくさくと「ピストルズ」を読むことができるでしょう。
で、その値段。書籍は1995円。まあこの分厚さからいえば安いのではないでしょうか。
で、電子書籍は、上下巻合わせたやつが475円。なんと安い!すばらしい!電子書籍化してもこれが千円以上するならあまり電子書籍化の意味はないのですが、以前わたしが書いたように500円前後の値段ならそれは神値段なのです。
阿部和重はえらい!
何度でも言います。阿部和重はえらい。
で、面白いのは、電子書籍では上下巻別々にも購入でき、その値段が上巻299円、下巻600円と設定されていることです。なんと巧妙に計算された値段ではありませんか。上巻は安くして、それで下巻も読みたくなった人には最初に躊躇った罰ですよと言わんばかりに高めの値段で買わせる。いやあ、すばらしいです。いやまあそんな意地悪ではないと思いますが、こういう価額設定というのは面白いです。
ちなみに「□」は千円以上して内容もイマイチで高価な買い物だったという印象ですが、「シンセミア」は文庫版が上下セットで2000円越え、電子書籍は1300円です。
阿部和重の初期作品もこういう価額設定で電子書籍化してくれないかなあ・・・そしたらすべて購入するのになあ・・・・・。
阿部さん、がんばってください!

2013年9月14日土曜日

眼球内空気充填術/螺旋の肖像 by KDP


「眼球内空気充填術」には「眼球内空気充填術」と「螺旋の肖像」が収録されています。
表紙のデザインは自作ですが、奇妙な黒色の図形はマンデルブロ集合です。

「メタリックver.2.0」に引き続き、「眼球内空気充填術」がアマゾンのkindle direct publishingから発売されました。
「メタリックver.2.0」では若干の改訂を行いましたが、「眼球内空気充填術」ではまったくおこなっておらず、初出そのままです。
「眼球内空気充填術」は四百字詰め原稿用紙換算で約80枚という短編ですので、これに新潮新人賞受賞作である「螺旋の肖像」(原稿用紙換算約120枚)を加えて、一冊にしました。普通なら新潮新人賞受賞作である「螺旋の肖像」をメインにもってきて、書籍のタイトルも「螺旋の肖像」にしそうなものですが、作品自体の質がやはりどうみても、何度読んでも「眼球内空気充填術」>「螺旋の肖像」ですので、迷うことなく「眼球内空気充填術」を書籍タイトルにして、メインにもってきました。「螺旋の肖像」は付録です。
今回、電子書籍化(ePub化)に際して、両作品とも何度か再読したのですが、やはり「眼球内空気充填術」は自分なりに好きな作品で、どうしてこれがあまり評価されなかったのか不思議で仕方ありません。こんな作品、なかなかないよなと思ってます(まあこれを自己満足というのでしょうが)。
「眼球内空気充填術」は最初に書き下ろしたものと最終的に脱稿したものとはかなり違っています。途中、担当編集者の風元さんと何度も相談し書き直し苦しんだ末にできあがったのがこの作品です。でも最後に完成形を読んだ時に、作品とは編集者との共同作業であり、それによって作品がどんどん洗練されていく様がよくわかりました。この作品はまさにそういった作品です。徹底的に眼球のことばかり書いてます。それはそれはもう意地みたいなものです。ここまで眼球のことだけを書ける作家はいないと自負できます(これを自己満足といいます)。
メタリック同様に表紙デザインは自分でMotion 4を使用して作成しました。楽しいです。どちらかというと表紙作りが楽しいから表紙を作りたいからKDP(kindle direct publishing)で電子書籍化しているような感じです(笑)。
で、この勢いで「あしたをはる」もKDPで電子書籍化しようと思い、表紙もテキストのePub化も終わりました。で、「あしたをはる」はコピペ小説ですので著作権等を考慮するとお金をとるのはどうかなと思われ、できれば無料販売でと思い、KDPに登録しようとしたのですが、KDPでは無料販売は認められていないということがわかりました。残念。
仕方ないので、ePub版を新たにダウンロードできるように、別唐晶司作品庫の小説のページに項目を作成しました。同時に、新たな表紙も貼り付けました。といってもそこまで閲覧するのが面倒くさいという人の方が多いと思いますのでここに自作の「あしたをはる」の表紙を貼り付けます。


「あしたをはる」の英語原題は「The world ends tomorrow」です。今更ですが、「あしたをはる」は猫の名前であり、「明日を貼る」であり、「明日終わる」です。ePub版には残念ながらハイパーリンク機能は付いていません。純粋に縦書の小説として楽しんでいただければと思います。kindle端末はもちろん、iPadやiPhone、Android端末でも読むことは可能です。
 さてと、次はいよいよ新作「DiPStopia」(永遠のディストピア)です。

2013年9月4日水曜日

メタリックver.2.0×Amazon×Kindle direct publishing

メタリックver.2.0はamazonにてkindle direct publishingで刊行された。

以前のエントリーでkindleのすばらしさを書きましたが、それがきっかけとなって、いよいよ拙著「メタリック」のamazonでのkindle direct publishingを始めました!
まずは、動機というと・・・それはやはりkindleの読みやすさとアマゾンの販売プラットフォームのすばらしさによるものです。
数年前から電子書籍と騒がれ始めて、一体全体どのような形でこの電子書籍なるものが世に流行っていくことになるのか見極めてきたのですが、ここに来て、アマゾンとkindleというタッグができるに至っておそらく電子書籍はここに集結するとよんだのです。
アマゾンがネット通販を始めた段階で、これは殆どの通販がアマゾンに集約化されるのではないかと推測したのですが、やはりその通りになってしまいました。アマゾン利用者としては、手軽にあらゆる物がネットで購入できるというのは便利このうえなく、わたしは本当にアマゾンのヘビーユーザーといえます。アマゾンの一番すばらしい点はなんといってもそのロングテール構造、つまりいかに売れない品物でもきちんと用意しており、ユーザーはそれを購入できるということです。売れ筋ばかりしか置いていない量販店や百貨店とは違います。そして、数多くある品揃えから検索システムにて自分が欲しいものを選べるという今では当たり前のことが当たり前に使えるところがすばらしいのです。
そして、このロングテール構造は書籍の分野ではもっとも役に立つと思われるのです。一年間に出版される書籍のなんと多いことか!そして、一年後には絶版となり永遠に陽の目をみない書籍のいかに多いことか!あまりにもったいない!なんやかんや言っても本屋や出版社は売れてなんぼの世界です。ですから売れ筋の書籍しか販売しません。10年前に刊行されちょっと評判のよかった本というくらいでは、今でも生き残っていることは不可能です。これを淘汰というのならそれはそれでいいのですが、それでも昔あの頃読みたいと思ったけど読む機会がなかったけど今になって読んでみたいなと思った時にそれが簡単に手に入るというのは書籍文化としてはあるべき姿だと思います。出版社も本屋も自分たちが書籍文化を守る主役みたいなことをほざいていますがそれなら本当に再販制度など止めるべきで、結局は自分たちの生存をかけて既得権益を死守しようとしているだけなのです(こういう姿は医療界でも同じです。一介の医師としてわたしも自戒しております)。
 で、アマゾンが電子書籍を始めることで今後大きな地殻変動が起こるのではないでしょうか?いや、起こらなければいけないのです。起こらないなら怒るべきです(すいません、ベタなダジャレで)。わたしはこれまでの様々な電子書籍のプラットフォームをみてきて、漸くここに来てアマゾンとkindleの組み合わせに電子書籍の明るい未来がみえてきたように思えました。 そして、その大きな構造変化に自分も参加してみたいと思ったのです(大して役には立ちませんが)。参加することに意義があるのです(単なる自己満足です)。
で、このアマゾンでの電子書籍販売が軌道にのれば、おそらく書籍の値段はもっと安くなり正常な値段になると思います。文芸書の単行本が二千円というのはどうみても高いです。他の娯楽と比較して考えるに、その妥当な値段は、五百円くらいだと思われます。この値段なら購入者側もかなりせっせといろいろな書物を購入できるのではないでしょうか。そして、作家側の印税(70%)も現在より多くなりそれはそれで作家にとってはいいことです(電子書籍500×0.7=350円>紙書籍2000×0.1=200円)。損をするというかこれまでの利益をあげられなくなるのは出版社です。ですから出版社自体が構造改革しなければいけません。そしてそれができた出版社が生き残るのだと思います。もしくはそれを真っ先に取り入れた新興出版社が新たな電子書籍分野を席巻することになるのかもしれません。しかし、コンテンツそのものの多さは既存出版社に分がありますので地殻変動にはまだまだ年数がかかるかもしれません。
とここまで書いてきて、自分はなにがいいたいのか・・・・つまり、わたしはアマゾンであらゆる書物を500円前後の値段で気軽に読みたいのです!
アマゾンの電子書籍では、過去の名作(森鴎外や夏目漱石や芥川や太宰など)が青空文庫と同じように無料で購入できます。そして、kindle端末(iPadやiPhone、Androidなども含む)で読めるのです。これらの過去の名作に対抗するためには現在の2000円なんていう値段では太刀打ちできないでしょう。
といろいろ愚痴みたいなことを書きましたが、とにかくわたしとしては自分の作品の第一弾電子書籍作品として「メタリック」を選びました。やはり最も評価が高かった作品ということでこれを迷わず選びました。そのために、Scansnapで原著をスキャンし、同時にOCRで文字をテキスト化しました。このScansnapについているOCRは結構性能がよくてかなりの文字がきちんとテキスト化されましたがまあそれでも正解率80%くらいでそのためわたしは修正のために何度も「メタリック」を再読するはめに陥りました。久しぶりに「メタリック」を読み直してみて気づいたのは、基礎医学の内容はほとんど20年前と進歩がないなあと。ですから大幅に書き換える必要もないと思いました。しかし、臨床医学の分野とコンピューター端末の分野は大きく変わってしまいましたのでこれらは書き換えました。ある程度改訂することにより「メタリック」初版の価値は残しておこうと思いました。ただ書き換えたから今回の「メタリックver.2.0」が初版より面白くなくなったということではなく、どちらかというと初版よりも洗練されたと思っています。
ついでに表紙も自分で作成しました。書籍の表紙はウィリアム・レイサムという人工知能学者の人工生命体の映像を担当編集者の矢野さん(現新潮編集長)がわざわざ米国までいって本人から仕入れてきたという凝ったものでしたが、今回はそういうわけにはいかないので自作です。作成にあたり使用したソフトはMotion4という動画制作用のソフトで様々な動画用のエフェクトを使用したのでかなり洗練された表紙になったのではないかと自画自賛しております(拡大してみればみるほど細部の凝った質感がわかると思います)。ミソは「metaⅡic」で「ll」(エルエル)が「Ⅱ」(ローマ字表記の2)になっていることです。これでメタリックver.2ということをあらわしています。
値段については本音では無料でいいのですが、この新たな販売プラットフォームを成長させていくためにはやはり課金が必要だと思い、一応、100円という値段を付けさせていただきました。多くの作家たちがこのプラットフォームを利用してある程度稼げるようになるためには無料が当たり前ではなく、課金(高価ではない)が当たり前という流れを作っていかなくてはいけないと思います(電子書籍ではこの課金がひとつのネックになったのですが、アマゾンという課金システムが備わったプラットフォームを利用することにより課金を払いやすくなったのは大きいです)。
今回、このkindle direct publishingを利用してみて、一番のネックはテキストのePub化かなと思いました。わたしは実際簡単にできてしまったのですが、知識のない人にはちょっとしたハードルになるかもしれません。早急に、MS wordからそのままアップできるようなシステムに改良されていかんことを期待します。
下のサイトから「メタリックver.2.0」は購入できます。また、別唐晶司作品庫の小説のページにリンクを貼りました。

 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF-ver-2-0-ebook/dp/B00EX41Q84/ref=sr_1_4?ie=UTF8&qid=1378094651&sr=8-4&keywords=%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

正直いって、売れるとはまったく期待しておりません。ですが、極小数の人にでもこんな本があったんだ。で、読んでみて以外に面白かった。とおもっていただければ自分にとっては言うことなしです(本当に自己満足です。やれやれ・・・・)。
続いて、「眼球内空気充填術」と「螺旋の肖像」の電子書籍化も可及的速やかに行っていく予定です。そして、その後に新作長編「DiPStopia」の電子書籍による発刊を予定しております。



2013年8月26日月曜日

「桐島、部活やめるってよ」からnikiさんへ

桐島、部活やめるってよ』は、朝井リョウによる日本の青春小説、およびそれを原作とした日本映画。
映画は2012年8月に日本公開。
登場人物名を各章のタイトルにしたオムニバス形式だった原作を、曜日を章立てて、視点を変えて1つのエピソードを何度も描き、時間軸を再構築して構成するスタイルにした。
公開後は口コミにより話題となり、8か月にわたりロングラン上映された。
第34回ヨコハマ映画祭作品賞および監督賞をはじめ、第67回毎日映画コンクールで日本映画優秀賞および監督賞、第36回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を含む3部門で最優秀賞を受賞した。

久々に「おもしれえぇーーーー」と驚愕してしまう映画に出会えました!
それが「桐島、部活やめるってよ」です。
朝井リョウさんの原作小説は電子版になっていましたので、kindleを購入した際に早速アマゾンからダウンロードしてkindleで読みました。高校生それぞれ視点で書かれており、現代の高校生活、特に学校内に存在するスクールカーストのようなものが公平な視点からうまく描かれていました。しかし、「こりゃあ、参った」といえるほどの凄い作品ではなかったです。でも、いい作品には違いありません。お勧めです。
で、その映画版の方ですが、これもいい作品だという噂はきいてました。しかし、劇場公開時には観に行く機会がなく(確か京都では京都みなみ会館というちょっと街中から外れた名画座風の劇場で公開されただけのような覚えがあります)、結局先日WOWOWで放映されたものを録画して、本日ようやく鑑賞できたという次第です。
で、観はじめた最初からちょっとこれは凄い映画ではないかと見入ってしまったのです。
原作の小説と映画版は構成が変わっています。そして、これが非常にうまく機能しているのです。登場人物たちが時間軸で重なりあい、同じ場面が幾度が視点を変えて描写される仕組みはとてもわかり易いし、それぞれのシーンをより印象的にしてくれます。
そして、登場人物たちを演じる俳優たちがすばらしい!
神木隆之介くんはもちろん、その他のすべての俳優がまるでどこかの高校に本当にいる高校生のように演じてました。神木くんは、「インストール」を観た時にわたしには鮮烈に印象として残っているのですが、妖怪大戦争ではほとんど印象には残っておらず、今回この作品で再度「こいつは凄い」と見直した次第です。
朝井リョウさんには悪いですが、明らかに映画>小説です。
で、この映画で一番感心したのが、それぞれ関連なく描かれていた吹奏楽部と映画部とバレーボール部と桐島をめぐる友人たちを終盤に物凄く上手に大団円を迎えるような形で収斂し、しかし、その後は収斂したその先をまとめるというのではなく、収斂から再び散逸という形で、なにかのメッセージを残すわけでもなく、最後は視聴者のそれぞれの解釈に任せるというようなある意味オープン・エンドで終わっているのです。そして、それこそが現代の高校生たちの生き様を描いていることになっているように思えます。
わたしは自分の高校時代を振り返るとこの映画に登場する誰とも重なることはないのですが、しかし、映画部の部員や帰宅部の面々とかには思いが重なるところはあります。また、菊池くん(なにをやってもうまくできるのだけどかといって部活をするでもなく帰宅部で仲良い友達もいて彼女もいて一見リア充だけどなにかに熱中することがない自分になにがしかの空虚感をかんじているといういい奴)が、わたし的には一番心惹かれ、最後でかれが一瞬涙する姿には心打たれました。
誰に一番惹かれるかは観る人それぞれによって違うと思います。そして、どの登場人物たちも公平に皆が価値あるように描かれています。この映画は百人がみたら百通りの解釈ができるのではないでしょうか。
とにかく今日は久々にすばらしい映画に出会ったという喜びからブログを書いているわけですが、その前にちょっとニコ動で週間ボカロランキングをチェックしたところ、な、なんとわたしの大好きなnikiさんの新曲が2曲もランクインしているではありませんか!
しかも、2曲ともすばらしいクオリティの楽曲です。特に、【AVANNA】SILENCE【オリジナル曲】は最高です。ボーカロイドはAVANNAという海外のボーカロイドを使用しておりそれゆえ英語の発音は完璧です。

【AVANNA】SILENCE【オリジナル曲】

また、この曲よりも上位にランキング(なんと第3位!)した【Lily】パラノイド【オリジナル曲】もnikiさん本来の疾走感爆発ですばらしいできあがりです。わたしはロックよりもトランステクノの方が好きなのでSILENCEの方が好みですが、かといってパラノイドも大好きではあります。とにかくこのnikiさんの楽曲は捨て曲がありません。すべてがすばらしいです。わたしはニコ動でnikiさんをお気に入り登録していますので全曲聴けますが、もし気に入った方がおられましたらnikiさんの他の曲もぜひお聴き下さい。ぜひ!
下にパラノイドを貼っておきます。



ということで、今日は幸せな一日でした。

2013年8月23日金曜日

藤圭子と綾波レイと長門有希と御坂妹と

藤 圭子(ふじ けいこ、1951年7月5日 - 2013年8月22日)は、日本の演歌歌手。
本名、阿部 純子(あべ じゅんこ)。 
岩手県一関市生まれ、北海道旭川市育ち。1960年代終わりから1970年代初めにかけて一世を風靡する。
夜の世界に生きる女の感情を描いた暗く陰鬱な歌(『怨歌』)を、伸びやかかつ深々と歌い上げた。
娘は音楽家の宇多田ヒカル。

昨日、藤圭子が亡くなられました。噂では自殺ということです。なんというかもともと幸薄い感じの方でしたので、それなりの亡くなり方なのかもしれません。
藤圭子といえばやはり「圭子の夢は夜ひらく」がわたしには一番印象的ではあります。昔はカラオケでよく歌ったものです(最近はカラオケそのものに行く機会がないので歌うことはないのですが)。
ちなみに「夢は夜ひらく」には原曲と圭子版と三上版があります(もしかしたらもっと他のバージョンもあるかもしれません)。このなかでわたしが一番好きなのはもちろん三上版です。高校生の頃からこの三上版の「夢は夜ひらく」が大好きでした。もちろん、圭子版も好きでしたが。それぞれの歌詞とYoutubeの動画を下に貼っておきます。

    三上寛版 「夢は夜ひらく」     



七に二をたしゃ九になるが
九になりゃまだまだいい方で
四に四をたしても苦になって
夢は夜ひらく

サルトル マルクス並べても
あしたの天気はわからねえ
ヤクザ映画の看板に
夢は夜ひらく

風呂屋に続く暗い道
40円の栄光は
明日のジョーにもなれないで
夢は夜ひらく

八百屋の裏で泣いていた
子供背負った泥棒よ
キャベツひとつ盗むのに
涙はいらないぜ

四畳半のアパートで
それでも毎日やるものは
ヌード写真に飛び散った
カルピスふくことよ

赤提燈に人生論
やけに悲しくつり合うが
コップひとつの幸せを
なんで飲み終る

生まれ故郷の小泊じゃ
今日もシケだといっている
現金書留きたといい
走る妹よ

本当に行くというのなら
この包丁で母さんを
刺してから行け行くのなら
そんな日もあった

夢は夜ひらく唄っても
ひらく夢あるじゃなし
まして夜などくるじゃなし
夢は夜ひらく

藤圭子版 「夢は夜ひらく」



赤く咲くのは けしの花
白く咲くのは 百合の花
どう咲きゃいいのさ この私
夢は夜ひらく

十五 十六 十七と
私の人生 暗かった
過去はどんなに 暗くとも
夢は夜ひらく

昨日マー坊 今日トミー
明日はジョージか ケン坊か
恋ははかなく 過ぎて行き
夢は夜ひらく

夜咲くネオンは 嘘(うそ)の花
夜飛ぶ蝶々も 嘘の花
嘘を肴(さかな)に 酒をくみゃ
夢は夜ひらく

前を見るよな 柄じゃない
うしろ向くよな 柄じゃない
よそ見してたら 泣きを見た
夢は夜ひらく

一から十まで 馬鹿でした
馬鹿にゃ未練は ないけれど
忘れられない 奴ばかり
夢は夜ひらく
夢は夜ひらく


無口で無表情な薄幸の美少女といえばまずわたしの脳裏によみがえってくるのはこの藤圭子さんに他なりません。そして、今回、この藤圭子さんの訃報に接して、まさに藤圭子さんは綾波レイ、長門有希、御坂妹と繋がる薄幸美少女たちの元祖ではないかと思った次第です。そう考えると藤圭子さんの娘の宇多田ヒカルさんがエヴァンゲリオンの劇場版の主題歌を歌っているのもなんとも頷けるものです。
三上寛は天井桟敷で知りました。「田園に死す」で登場してます。今も元気に活躍なされてます。そういえば大島渚の「戦場のメリークリスマス」にも出ていたなあ。
もうひとりの三上博史も寺山修司に発掘された役者です。漢字は違いますが二人とも「ひろし」でややこしいです(三上寛は「かん」ですが)。外見はまったく違います。わたしは三上博史が大好きです。岩井俊二の個人サイトで昔の天井桟敷に関する思い出話の動画がアップされており、とてもおもしろかったです。ちなみにわたしは この岩井俊二のサイトの有料会員です。このサイトのURLはここです( http://iwaiff.com/ )。

とここまで書いてなにが書きたかったのかわからなくなりました。
とにかく藤圭子が死んで悲しいということ。
そして、藤圭子は、綾波と長門と御坂妹のお師匠さんであること、それが言いたかったのです。

あっ、それからネットゲリラさんがこの藤圭子について「ルサンチマンのアイコン」と題してすばらしい文章を書いておられます。こちらをみていただけれ幸いです。 http://blog.shadowcity.jp/my/2013/08/post-3434.html#more