2014年12月30日火曜日

2014年ベスト・ワン

ナチにおけるユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒ。
〈金髪の野獣〉と怖れられた彼を暗殺すべくプラハに送り込まれた二人の青年とハイドリヒの運命。
ハイド リヒとはいかなる怪物だったのか? ナチとはいったい何だったのか? 
登場人物すべてが実在の人物である本書を書きながらビネは、小説を書くということの 本質を自らに、そして読者に問いかける。
「この緊迫感溢れる小説を私は生涯忘れないだろう」──マリオ・バルガス・リョサ

恒例のベスト・ワンです。
今年は豊作か不作かあまりわからないような感じなのですが、よくよく考えると良作が多かったため単にわたしの感覚が鈍麻して全体として不作のように感じただけのことかもしれません。
小説ははっきりいって不作。しかし、上に貼りましたローラン・ビネの「HHhH(プラハ、1942年)」は傑作でした。史実をいかに自分のものとして書き上げるか、まさにどこまで自分に誠実にそして歴史に対峙してそれを描き出すかということを真摯に考えて書かれた小説でした。それは日本で大ベストセラーになった永遠のなんとかというまがい物の歴史小説?いや大衆に諂い喜ばすための単なるエンタメ小説とはまったくベクトルの違う本物の小説でした。
映画は超傑作「Gravity」で幕を開けましたが、以降は鳴かず飛ばずの佳作とまりの作品ばかりだったような。その中でも、「テレクラキャノンボール」「風立ちぬ」「インターステラー」「フューリー」などが特に印象に残っています。 
ドラマといってもこれまでベスト・ワンでドラマについて言及することはなかったのですが、今年は敢えてあげさせていただきます。そうです、「アオイホノオ」です。これは本当に素晴らしかったです。このようなドラマにまた出会えることを期待したいです。
アニメは「ピンポン」が突出していたような気がします。あらすじは大体知っていたし、映画版も観ていたのであまり期待はしていなかったのですが、絵柄および演出そのものがすばらしく(松本大洋の原作がすばらしいのはもちろんですが)、アニメの可能性をしみじみと実感しました。
漫画は文句なしに松永豊和の「パペラキュウ」。この松永さんのツイッターをフォローしているのですが、この方の呟きは毒満載で物凄く面白いです。
次点は古泉智浩の「夕焼け集団リンチ」。なんか今は亡き山田花子を思い出しました。
音楽は・・・これは語る必要もなく、ベビメタの一年でした。まさに圧巻ともいうべき一年でした。そしてここまで世界で受け入れられるとは予想もしていませんでした。
いやあーー凄いなあ、ベビメタ。
海外での凄さをステマとかいって信じない方もいるようですが、その人気のマジさを感じることのできる動画を下に貼りました。こんな光景がみられる邦楽バンドはこれまでになかったですよ。

Babymetal at Heavy Montreal 2014 - WALL OF DEATH

 ということで、今年のベスト・ワンは昨年に引き続き、
BABYMETAL

でした。 

2014年12月23日火曜日

BABYMETAL on NHK

BABYMETAL現象~世界が熱狂する理由~
 メタルとアイドルの融合というコンセプトで世界を熱狂させる3人組BABYMETAL。
番組では先月行われたロンドンライブの模様を中心に、世界的な人気の秘密に迫る。

先日(21日深夜24:25)、約40分にわたるベビメタの特集番組がNHKで放映されました。
冠徹弥という京都出身のメタラー(ヘビメタバンドのボーカルをやっていたらしい。わたしはこの方を全然知りませんでした。すいませんwww)のナレーションから始まった(映像はアイアンメイデンにジューダス・プリーストにオジー・オズボーンにメタリカに!!うわっ!)その番組は全編ベビメタ愛が貫かれていた出色の演出による素晴らしい番組でした。
最初から最後まで、アイドルからの視点ではなく、ヘビメタあるいはロックあるいはアーティストからの視点でベビメタが語られていました。
登場するのは、ケラングの編集部であり、 メタルハマーの編集長であり、大物マスタリング・エンジニアのテッド・ジェンセンであり、ドラゴンフォースのサム・トットマンであり、そして彼らが語る内容は、なぜにベビメタを最初に英国に紹介したのか?であり、ベビメタに纏わる本物・偽物(ギミック)論争であり、あるいはベビメタのヘビメタ界あるいは音楽界におけるインパクトの分析であり、まさにそれらは本物ゆえに本物のみが語ることのできる内容でした。
番組には2つの縦軸がありました。
ひとつは、まさにベビメタ世界ツアーのラストとなるロンドンBrixtonでの公演の様々な風景(公演を待つ人々の姿、公演会場の姿、公演そのものの姿、公演後の観客たちの反応等)であり、もうひとつはバスによるロックツアーとともにロックの聖地を巡り、その過程でのベビメタの3人の反応とインタヴューでした。この2つの縦軸に上にあげた人たちのインタヴューが横軸として絡まってきます。
どこにも過剰な演出などなく、もちろん関係のないタレントという馬鹿が出てくることもなく、糞みたいな汚物でしかないお笑い芸人の顔もなく、ましてや番組をしきる糞司会者もおらず、粛々とドキュメンタリーの方式で番組は進んでいったのでした。
これはNHKゆえにできる番組です。
あーー、これまで受信料払ってきた甲斐があったというものです。
NHK GJです!
ライブ公演で映された楽曲は、「BABYMETAL DEATH(前半分のみ)」「ギミチョコ」「いいね」「ヘドバンギャー」「IDZ」の5曲でした。 なかなかバランスのとれた選曲だと思います。最後には新曲「the one(仮)」の一部も放映されました。
これはぜったいこの番組の製作者たちはベビメタ大好きに違いないと確信させるに足る素晴らしい構成でした。
番組製作者たちがベビメタ大好きであることを例証するものとして、結構画面にルカメタルとニコメタルが登場してきたことがあげられます。
このブログでもいつかとりあげようと思っているスウェーデンのメタルバンドのアーティストであり、しかもベビメタの大ファンであり、ベビメタのインターナショナルファンサイトを運営しているというのが、このルカメタルとニコメタルの正体です。コアなベビメタファンなら誰でもこの二人を知っていると思うのですが、この二人をきっちりと映していたのはどう考えてもベビメタのコアなファンへのアピールとしか思えませんwwww
もう一度言います! まさにNHK、GJです!
敢えて付け加えるならもう20分足して、1時間番組にして、KOBAMETALのインタヴューと神バンドの紹介映像を付けて欲しかったです。
なにせこの番組放映中の大村さんとBOHのtwitterでの反応は尋常でなかったですからwww
ネットの動画サイトにこの番組があげられていますが、すぐに消されていっています。
ということで、ここにそれらのサイトを貼ることはしません(どうせすぐ消されると思うから)。しかし、この番組を見逃した方にはまだ観るチャンスがあります。29日あたりにNHK BSで放映されるという噂です。詳細は自分でみつけてください(すいません)。
来年はベビメタにとっては本当に飛翔の年になるでしょうね。
ますます楽しみです。