2012年12月30日日曜日

2012年ベスト・ワン

あっかんべーで印象に残っているのはやはりハルヒ1期最終話のラストシーンではあるが、これもいいです。

昨年から恒例になった(ほんまか・・・)、ベスト・ワンでなんとか今月をのりきろうとしてます。昨年は、各カテゴリーごとにベスト・ワンを選出し、総合ベスト・ワンを決めましたが今年はそれほど多くのよい作品に巡りあえていないので総合ベスト・ワンだけにしておきます。といいつつ、やはりぐたぐたと各ジャンルで呟くと、小説は伊藤計劃・円城塔「屍者の帝国」が一番評価が高いですがかといってwktkしながら読んだかというとそれほどでもなかった。伊藤計劃にしても円城塔にしてもわたしにとってはwktkする作家ではないので案の定ではあるのですが困ったところではあります。同様にグレッグ・イーガンもよい作品ではあるのですが読んでwktkすることはないんだよなあ・・・。おそらくというか確実にこんなわたしは少数派に違いなく、多くの人達は伊藤計劃や円城塔やイーガンの作品をwktkしながら読んでいるのです。いやいや、でもSFってのはマイナーな領域だしなあ・・・流行りのミステリーとかラノベ読んでる人たちにとってはこの3者の作品は読みづらいだろうなあ・・・司馬遼太郎が好きな人は見向きもしないだろうし、伊坂幸太郎とか森見登美彦とかのファンはどう思うんだろうか?でも「屍者の帝国」は10万部を超えたということでSFにしては異例の売り上げだったようで、これはいいことだと思います。「屍者の帝国」は非常に衒学的要素が強く、それゆえに電子版で公開して、脚注をつけるべき言葉にはリンクを貼ってすぐに調べることができるようにしてもらえればありがたいのですがいかがでしょうか?筒井康隆の初ラノベ「ビアンカ・オーバースタディ」はそのまま筒井康隆していたラノベでしたが、筒井康隆がラノベする必要はまったくないと思いました。30分くらいで読みきれたというのがなんとも清々しいのですがそれくらいのスカスカのラノベでした(というかラノベ自体がスカスカなのかもしれないが・・・)。話は前に戻って、SF畑の人たちとっては伊藤計劃・円城塔・イーガンはwktkする作家に違いないのですが、わたしにとってはそうではないということはやはり自分はSF畑の人間ではないよなあと思ったりします。かといって純文学の人間でもないしなあ・・・だからまあ何かを創作していいのかもしれませんし、だからそんな作品はあまり評価されないのかもしれません。まあどうでもいいやwww 
と、小説だけで長くなってしまった・・・。題名は覚えていないのですけど新潮に掲載された田中文則の作品は秀逸でしたし、木下古栗の茂木ディス作品も面白かったです(これらはwktkしながら読んだんだよなあ・・・)。そうそう平野啓一郎がモーニングで連載した「空白を満たしなさい」は途中で読むのを挫折してしまいました。それくらいつまらなかったのですが、一般の評価は高いようですのでこれは読者としてのわたしが悪いだけのことだと思います。
映画は・・・リドリー・スコット「プロメテウス」とエヴァQがやはり印象に残っていますが、かといってものすごく面白かったかというと・・・ほどほどに面白かったですwww
音楽はボカロ関係のものしか面白いものがなかったような・・・そういえば最近、凛として時雨がTVに出たそうでそれがちょっと話題になっていたようですが、できるなら凛として時雨などはTVに出ることなくマイナーメジャーな位置で活動を継続してほしいと思います(わたしは凛として時雨が大好きでアルバムはすべて所持しております)。
で、総合ベスト・ワンは、アニメ「謎の彼女X」ということで。以前のエントリーでこのアニメについては言及しております。文句なしの2012年ベスト・ワンです。

2012年11月28日水曜日

新潮新人賞

新潮新人賞(しんちょうしんじんしょう)は新潮社が主催する公募新人文学賞である。
受賞作の発表は同社が刊行する文芸誌『新潮』で行われる。毎年3月31日締め切り。

今年度の新潮新人賞が先月発表された。で、受賞者のひとりは京都大学医学部の学生で19歳の女性ということでちょっとだけ話題になっていた。つまり、わたしの後輩ということになる。わたしが同賞を受賞した時は、既に32歳で米国留学中だったので何の話題になることもなく、また、わたしの耳になにかの雑音が届くこともなかった。今のようにインターネットもまだ流行っていなかったので自分受賞に関する噂話みたいなことを目にすることもなかったし、たとえネットが流行っていたとしてもそんな噂話が出ることもないような瑣末な出来事にしか過ぎなかったような気がする。だからある意味、雑音に惑わされることなく、次作「メタリック」の執筆に集中することができたのだと思う。
で、京大医学部の女性、名前は高尾長良さんというのだが、受賞作の評判はあまり芳しくないようだ。選考の評でもどちらかというと同時受賞の門脇さんの方が評価が高いような気がする。共同通信配信の文芸時評で藤沢周氏は、この二人が受賞したことを記し、続いて門脇さんの作品の簡単な批評を書いているのだが、高尾さんの作品については一切触れずじまい。これはひどい!(笑)。時評をもし高尾さんが読んだなら「藤沢、殺す!」と思うだろう、いえ、思え!思わなければ作家ではない!そして殺れ!というのは冗談でもなく本音だが、藤沢周氏の作品を読んで面白いと思ったことが一度もないわたしとしては別にこんなやつに無視されたって気にすんなと声をかけてあげたい。まあ高尾さんにとってはありがた迷惑以外のなにものでもないのだが。かといって、わたしが高尾さんの受賞作「肉骨茶」を読んで面白いと思ったかというとそれほどでもない。確かに門脇さんの「黙って喰え」の方が読みやすくて面白い。だから何なんだと・・・・。
自分の受賞作「螺旋の肖像」は当時から自分自身で批評してみて決して褒められた作品ではなかった。この作品でやりたかったことはきちんとした医学知識のもとにきちんとした実験医学の方法論で物語を紡ぎだすことでそれによって純文学とSFを融合させることだったのだが、作者の力不足のため純文学的要素が陳腐で、立ち位置がわかりにくい作品になってしまった。しかし、おそらくこの作品の影響で、石黒達昌氏の「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……」(1994年芥川賞候補作)などが生まれてきたように思う。石黒氏はわたしとほぼ同年令で東大医学部卒の医師であり、1989年に海燕新人文学賞を受賞してデビューしていたのだが、それまでの氏の作品は極めて純文学色の強い作品だったにもかかわらずわたしが新潮新人賞を受賞した後に発表された「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……」は論文形式のきわめてSF色の濃い作品となっていた。これは明らかに「螺旋の肖像」の影響ではないかと思ったのだが(実際当時、わたしの担当編集者もモノマネが出ましたよと言ってくれた)、石黒氏の作品の方が、「螺旋の肖像」よりもずっと洗練されよりアバンギャルドな感じだったので多くの方面で高評価を得ることになった。その際に、比較として「螺旋の肖像」が取り上げられることがなかったことが悲しいところではある。わたしと仲の良かった同級生がたまたま石黒氏と高校の同級生であり、彼から「あんなやつに負けんなよ」と励ましの言葉を頂いたのであるが、その後の作品数や候補歴からみるとどうみても石黒氏の勝ちである。しかし、現代文学という大所高所からみるとわたしも石黒氏もどうでもいい負け組に違いない。勝ち組は村上春樹のみかwwwww
先日、新潮新人賞をわたしと同時受賞した中山幸太氏が京都に遊びに来たのでいっしょに食事をして京都の街を飲み歩いた。楽しかった。お互いの傷を舐めあって慰め合った(笑)というのは冗談だが、その際に、わたしたちが受賞して既に20年が経過したことを中山さんから教えていただいた。あーーはるか昔のことだ。で、とにかく、新潮新人賞で同時受賞者同士が今でもこのように連絡を取り合い、担当編集者を罵倒し(わたしの担当の風元氏のことは罵倒してませんw)、当時の選考委員をこきおろし、その前後の新潮新人賞受賞者たちを批評しあうというのはわたしたちだけではないかという確信はある。そんなことやってるからお前らは糞なんだよと言われるのはわかっているのだが、糞には糞の矜持なり誇りなり大逆襲なりがあるのだ、いやあるのかもしれない。糞なんていって中山さん、すいません。で、今回の受賞者、高尾さんと門脇さんが仲良く飲み屋でお酒を酌み交わすということがあるのだろうか?まあどうでもいいことではあるのだが。
ともかく新たな作家の門出を祝したい。というのは嘘で、この雑音が多い世の中で罵詈雑言を浴びせられて(若い人にとってはちょっとネガティブな意見でもそれは大悪口に聞こえてしまう)、精神が参っていかないことを願っている。そして、高尾さんは、作家として大成しなくてもちゃんとした医師にはなってほしい。なにせ国立医学部には多くの税金が使われていますので(笑)。
以上、なんとか11月にうpできた。乙!


2012年10月14日日曜日

iPS細胞と

iPS細胞とは、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、
ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性と
分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。

京大の山中教授がiPS細胞の開発ということでノーベル賞を受賞なされました。まことにめでたいことであります。京大医学部卒のわたしとしては、京大があらゆる人にその門戸を広げ、本当に優秀な人を集めている姿勢を誇らしく思います。山中先生は神戸大学卒で、市中病院で臨床研修後、大阪市立大大学院、米国留学、大阪市立大、奈良先端大学と様々な施設を経由して京大に来られた先生で、それゆえマスコミにもより好意的にとりあげられているものだと思います(そのうえ、人格的にも非常に謙虚な方のようですので余計に好感度は増すのではないでしょうか)。実際、学閥や出身大学にかかわらず、優秀な仕事をしている人にそれに見合う環境を用意することはとても大切で、京大はこういった面では日本の大学のなかで最先端をいっているのかもしれません。事実、医学部基礎系の教授は京大出身者以外の方が多いような気がします。医学部臨床の教授も徐々に京大出身以外の教授が増えてきており、できれば京大卒は京大教授にしないというくらいの大英断を下してもいいと思います(米国は当たり前のようにそうなってます)。京大卒に優秀な人がいないという意味ではなく(逆にとても多くの優秀な方がいます)、学閥とかなくしてもっと自由に人材の交流があった方がマクロにみて医学のために貢献するものと思われます。そのためには臨床系の医局制度も崩壊させる必要があると思いますが。
で、このiPS細胞というやつは、非常に画期的な業績であるのですが、山中先生が独自に異境の中で発見したというものではなく、基本的な理論は、同時受賞となったジョン・ガードン教授が1962年にカエルの細胞を使って証明しているわけです。ですから1990年台からES細胞によるクローン作成の話題が大きくなり、再生医療に陽があたってくるにともない、多くの研究者がiPS細胞の樹立に血眼になっていたわけです。そのなかでたまたま山中先生が当たりを引いた!癌遺伝子を感染させることにより全能性をもたせるということは誰もが考えることで決して山中先生独自のアイデアではないのです。ただ、どの癌遺伝子が必要でそれがどういう組み合わせでいくつ必要か?その膨大な組み合わせの中から偶然山中グループが当たりクジをいち早く引き当てたわけです。そのあたりは山中先生もよくわかっておられ、決して奢ることなく、実際の実験担当の高橋先生に感謝の言葉を送っているその姿からもよくわかります。ですから同じ系の実験をしていた研究者たちからは嫉妬の念が沸き起こってくるのもよくわかります。これが誰も考えもしなかった新たな免疫システムとかを独自に打ちたて、医学のセントラルドグマをコペルニクス的転回させる理論を発表するとかになると嫉妬を生むこともなく、羨望と驚愕のみが生まれるのかもしれません。ただ、そのようなものを生み出す人は、偏執狂的な人と思われますので、それほど祝福はされないでしょう(笑)。山中先生のすばらしい人柄をみるにつけ、iPS細胞自体の業績は凡庸なものだと思えます。
iPS細胞ではありませんが、似たような細胞で自分のクローンを生み出すということを書いているのが拙著「螺旋の肖像」です。20年前の作品です。自分の作品をとりあげて言うのもあれですが、はっきり言って、iPS細胞から各臓器の細胞を分化誘導するよりも個体そのものを作成する(つまりクローンを作成する)方が簡単だと思います。まあでもそれはそれで重大な倫理的問題がありますので実現化はしないと思いますが。で、iPS細胞で臨床応用として一番早いと期待されているのが、iPS細胞由来網膜色素上皮シートを使った加齢黄斑変性の治療です。来年には臨床応用が始まるものと思われます。このプロジェクトのリーダーである神戸理化学研究所のT先生は、京大でわたしと同期です。ポリクリも同じグループで、医師国試の勉強会も同じグループでやってました。元々眼科医ですから学生時代を含めて長い付き合いでよく知っているのです。なにがどうなって彼女がこのような役割をこなすようになったのかは非常に面白く、人の運命などわからないものだとつくづく感じ入ります。まあ何にも増して彼女の努力の賜物であったことには違いありませんが。で、このiPS細胞の加齢黄斑変性に対する臨床応用ですが、概略をきいた限りでは、結果がダメなのは明白のような気がしています。その旨をフェイスブックの京大同期グループのなかでT先生と論争しました。で、その論争を引き継ぐ形で、来春にあるセミクローズドの会で、T先生と実際に手術をする先生とわたし(3人とも京大同期なのです)で討論することになりました。ネガティブな討論ではなく、iPS細胞の臨床応用をより実用的なものにするための討論にしたいと思ってます。
このiPS細胞ノーベル賞受賞を追いかけるようにヒトの心筋での最初の臨床応用という大法螺吹きが現れました。読売新聞の大誤報です。一番の問題はこのような大新聞社が容易に騙されてしまうという現実にあります。読売新聞はもっと糾弾されるべきです。大法螺を吹いた当事者本人については放置が一番です。こういう輩は医学の世界には結構います。基礎の世界ですと実験の追試という形でその真偽が検証できることが多いですが(検証できないものもあり、それでも大した結果ではないので問題にされることはなく忘れ去られていく)、臨床になるとそれもなかなか難しいです。手術成績とかになると術者の技量の個人差などが考慮され、それこそ何が本当で何が嘘かわかりません。すばらしい成績の新しい手術法!というのをどれだけ目にしたことか!で、実際に追試ですばらしいことがわかって流布していった手術のなんと少ないことか(笑)。臨床医学の世界は魑魅魍魎の世界です(笑)。大法螺吹きさんは、医学の世界は離れて、小説でも書いてはいかがでしょうか?医学の世界では大法螺でも、小説の世界ではその大法螺は名作になるかもしれません。ハードSFを書いて、来春締め切りのハヤカワSFコンテストに応募するのもいいような気がします。あれだけ嘘の論文をきっちりと書けるのですから素養はあるはずです(笑)。わたしは以前書いたように、再生医療にはネガティブで、これとタイムマシンとシュタゲとまどマギと東方とミクとウィトゲンシュタインとiPS細胞を混ぜた2次創作ではない、オリジナルの小説を書いて、大法螺吹きさんに倣って、ハヤカワSFコンテストにても応募しようかなと思ってます。なにせこのコンテスト、「応募資格は不問」ということです。

2012年10月7日日曜日

欧州サッカー12-13

マンチェスター・ユナイテッドの香川
 
今年も8月より欧州各国のサッカーが始まりました。今年も例年のごとく、イングランドプレミアリーグではアーセナルを応援し、リーガ・エスパニョールではバルセロナを応援していきたいと思います。が、ここで若干事情が変わりました。そうです。日本代表の香川真司があの憎きマンチェスター・ユナイテッドに入団してしまったのです。いくらマンチェスター・ユナイテッドが憎いといってもさすがに日本人選手が、それも将来を期待される香川が入るとなるとそういうわけにもいきません。ここは、ここは、憎さ余って・・ではなくて、仕方なくでもなくて、香川を応援するという意味でマンチェスター・ユナイテッドもちょっと応援しようかなと思ってます(軟弱な・・・)。しかし、アーセナルVSマンチェスター・ユナイテッドの試合はもちろんアーセナル応援です。でも例えば明日予定のニューキャッスルVSマンチェスター・ユナイテッドなどは例年ですとニューキャッスル応援ですが、今年からはマンチェスター・ユナイテッド応援になります。香川はマンチェスター・ユナイテッドで早々と活躍していますが完全にフィットしているとは言い難く、これから連携がよくなって、ファンペルシーとルーニーと香川の3人がうまく咬み合っていくとこれはとてつもない脅威になるでしょう。それを期待するのと同時にそんなマンチェスター・ユナイテッドをアーセナルが打ち砕くことも期待します。しかし、先日のUEFAチャンピオンズリーグでのマンチェスター・シティVSボルシア・ドルトムントを観るにつけ、圧倒的にボルシア・ドルトムントの方が面白いサッカーをしていたので香川はやはりボルシア・ドルトムントに残ったほうが良かったような気もします。ボルシア・ドルトムントのチャンピオンズリーグでの活躍にも期待です。おそらく死のD組は、レアル・マドリーとボルシア・ドルトムントの勝ち抜けで、マンチェスター・シティはヨーロッパ・リーグに回ることになるでしょう。
で、明日は面白い試合が目白押しです。プレミアリーグでは、先ほどあげたニューキャッスルVSマンチェスター・ユナイテッド。そして、リーガでは、バルサVSレアル・マドリーのクラシコ!そしてそしてセリエAではミラノ・ダービー!うはっ、です。でもクラシコとミラノ・ダービーは試合時間がかなり重なるので、これはクラシコ優先でしょう。
それにしても香川がマンチェスター・ユナイテッドに来て、goal.comでのプレミアリーグのコメント欄の荒れ方は読むに耐えかねます。とにかく簡単に香川信者だのアンチ香川だの、もっと困るのは香川に代わるようにしてマンチェスター・ユナイテッドからQPRに移籍した朴智星(元京都サンガ所属、現時点で文句なしのアジアNO.1サッカー選手)と香川を比較して罵詈雑言を投げかけるようなコメントが見受けられて本当にやれやれです。ステレオタイプなレッテル貼りほど容易で心地良いものはないのでしょうが、それが広まってしまえばまさに衆愚政治のようなものになってしまいます。プレミアリーグファンが増えるのはいいことですが、こういう現象を目の当たりにすると素直に喜べない自分がいるのも確かです。尖閣諸島や竹島の領土問題でも3国ともに衆愚に焦点があたり余計に憎悪が増幅していっている感じですが、もうちょっと冷静になってほしい気もします。といいつつ戦争になっても面白いかななどと無責任に夢想する自分もいます。事が政治のこととなるといつもまあどうでもなれやという自分がいます。政治に興味がないわけではありませんがどうしようにもないというか、なるようになってくれればいいよという姿勢は一貫してます。あっ、でも変化は常に必要だと思ってます。ですから先の衆議院選挙では民主党に投票しました(選挙投票にはほとんど行ったことはないですが)。で、民主党のこれまでやってきたことは散々ですが、それでも民主党に政権をとにかく取らせたことはよかったことだと思っています。誰がやってもいっしょやん!ということがよくわかります。自民党はもちろん、新自由クラブもしかり、社会党もしかり、新生党もしかり、おそらく日本維新の会もしかりですよ。実はもう4年民主党にやらしてもいいかもと思ってます。非常に無責任な話ですが(笑)。なんか話がどんどんズレてきました。どんな職業も二世が幅を利かせているものはダメです。その最たるものが政治家ということになります。議員になるためにはもっと少ない選挙資金で誰でも立候補できるようにして、もっと多くの普通の人々が議員になれるようにした方がいいのは当たり前と思うのですが。歌舞伎の世界と違って、まさに政を司るという実力が試されるのですからもっと自由競争の仕組みを取り入れないとダメでしょう。医者の世界も同様です。二世・三世いっぱいです。こいつダメだと思う医者沢山知ってます。早く医者の世界もメディカル・スクール制にして、つまり、4年生大学卒業者のみメディカル・スクール(4年制)の受験資格を与え、選抜するというやり方を採用すべきです(米国がこのやり方です)。東大理3や京大医などには超絶優秀な奴が集まりますがはっきり言ってそういう人が臨床医をやるのはもったいないし、ある意味向いていないし犯罪みたいなものです。わたしの同期でも優秀なやつらは理学部大学院に入り直したり、基礎研究に入っていくことが多かったです。医学、とりわけ臨床医学はある程度の世間なり教養を身につけたうえでそれなりに自分で決意してすすんでいくというものであるべきです。なんか欧州サッカーの話からかなり離れてしまったような・・・いえいえ、サッカーのトップクラスには二世少ないです。それは取りも直さず実力社会だからです。スポーツで競技人口の多い競技ほど二世は少ないです。逆に二世がトップクラスに多い競技ほどその競技人口は少ないはずです。そんなものです。今回はなんか支離滅裂なことを書いてしまいました。次回はできれば「屍者の帝国」の書評をと考えていますが、その前に伊藤計劃と円城塔の作品の読み直しが必要かも・・・そうなるといつになることやら。

2012年9月2日日曜日

棒歌ロイドとuinona

棒歌ロイドとは、主にゆっくり(softalk)を使って歌を歌わせた場合を指し示す呼び名である。

 映画でも本編よりもそのメイキングビデオの方が面白かったという例にいとまはありませんが、今回は「棒歌ロイド」を取り上げることになった経緯をそのままタイムラインのように書き連ねていきます。
まず、円城塔・伊藤計劃「屍者の帝国」をアマゾンで購入しそれが届いたのでwktkしつつ読もうかなと思っていたところ、ちょっと待て、車は急に止まれないではなくて、ニコ動チェックと思い、ランキングなどを閲覧したところ、一位に初音ミク生誕5周年を祝う動画があがっていた(ミクの誕生日は8月31日です)のでそれを視聴したところ、懐かしいミク曲がいっぱいで、なんてすばらしい動画なんだと感激してしまい、で、そのなかに取り上げられた曲のひとつに、小林オニキスPの「サイハテ」があったので、なぜか無性に元スーパーカーのフルカワミキが歌ってみた「サイハテ」を聴きたくなり、早速聴いてみたところ、同じ「サイハテ」タグの歌ってみた曲のなかにuinonaの「サイハテ」もあったので、これも久々だあと思って聴きました。わたし的には、「サイハテ」は、uinona>フルカワミキ>ミクの順番でよいと思ってます。下にミクの「サイハテ」を貼りました(YouTube版です)。uinonaとフルカワミキのやつも貼りたかったのですが、YouTubeでは見当たりませんでした。視聴したい方はニコ動で見つけてください。


で、このuinonaの「サイハテ」を視聴したところ、他のオリジナル曲があることがわかりました。で、それを視聴してみてびっくり!
めちゃくちゃいい!!!
そのひとつに「ゆっくりしていってね」でお馴染みのゆっくりの声を使った曲があり、それがなんともこのゆっくりの声に合っていてすばらしいのです。


いかがでしょうか?
ゆっくりの声を使用した楽曲というのは結構あるのですが、ここまでうまくフィットした曲は初めてです。ゆっくりのヤル気のない気怠い感じと歌詞とメロディが見事なはハーモニーを奏でているではありませんか!
uinonaはmmmbopさんと夢見るPさんのユニットでプロのユニットです。基本的にはボーカルは女性の方が担当しているのですが、ボカロ版をニコ動にうpしてくれてます。
で、彼らの曲で、「there]という曲はゆっくり版と自前歌版とが視聴できます。下に貼りました。



正直言って、どちらもすばらしい!
で、これらを聴いてみて思うことは、スーパーカーが好きな人は同意してくれると思うのですが、やはりなんとなくスーパーカーの曲調に似てねえ?ということです。でも結局、わたしはこういう感じの曲が好きなのだなあと納得するだけです。かといって、この曲調はJAシーザーとは似ても似つかなく、Blood Stain Childともまったく違うし、他のわたしの大好きな曲たちとも違うのですが・・・でも、こういう曲も大好きなのです。
で、ゆっくりのすばらしい曲に出会えた感動とともに、それを創作してくれたuinonaに感謝すべく最後に彼らのオリジナル曲をもうひとつ貼ります。これもすばらしいです。なんにも考えずにぼっーーと何度も何度もループして聴き返したいと思います。


ということで、心地良い曲を浴びたあとは、いよいよ「屍者の帝国」です。
とその前に、最後に最も有名と思われる棒歌ロイド曲を貼っておきます。
これを聴いて、皆さんもあくせくすることなくゆっくりと生きていきましょう、なんて。

 

2012年8月19日日曜日

イルカの夢でさようなら

「イルカの夢でさようなら」とは、ATOLSが作ったwebサイト。
インターネット上で検索してはいけない言葉のひとつ。
このサイトが何をしようとしているのかは不明。
イルカの夢でさようなら」という不気味なサイトがあります。18禁で、トップページに出てきた女の子をクリックしていくと虐殺が始まり、更に続けていくと生き返ります。その後は、不気味な四角形がいくつも出てきてそれらをクリックするといろいろなものが出てきます。どれもなんとなく不気味なもので人によっては苦手に感じる方もいるものと思われます。わたしは苦手というわけでもなく、まあなんとはなしに面白く閲覧させていただきました。ひとつの四角形をクリックすると馴染みの「膣外射精」というアート系のサイトがリンクされていたりして趣味嗜好が似ているのかなとも思ったりしました。
で、今回、話題にしたいのはこの「イルカの夢でさようなら」ではなく、このサイトの作成者であるATOLSさんについてです。
このサイトだけを見るとなんて変人なんだろうと思われると思うのですが、とにかくこのサイトのことは忘れて下の曲を聴いてみてください。


どうですか?
これはATOLSさんの最新曲です。この方の本職は音楽家で、セミプロのような感じです。わたしが知ったのは、ニコ動のボカロからです。ニコ動やYouTubeにボカロ曲をいくつか発表しています。どれも素晴らしいできです。曲調はテクノという感じですが、昔の曲はインストだけのものもありプログレっぽい感じもします。マカロンはちょっと偏執狂的な感じもあり、「イルカの夢で・・」との共通項も若干垣間見れるような気もしますが、次の曲になるとそんなものも皆無のような気がします。


ミクのベース姿がかっこいいですねえ。それに最後の疾駆していく姿!マカロンに比べると普通っぽい感じですが、でもでもやはりATOLS節という感じもします。でもおそらくこの曲はATOLSさんにしてみれば解りやすい方向にスライドしたひとつの成長を示す作品といえるかもしれません。で、次の曲。


実はこれがわたしの一番のお気に入りなのですが、これがATOLSさんの楽曲の基本的な方向性なのではないかと勝手に解釈している次第です。とにかく、どの曲も実験的ですばらしいものばかりです。ニコ動がなければATOLSさんを知ることもなかったのですからやはりニコ動に感謝です。ニコ動の会員になってから本当に音楽を聴く回数が増えました。それはやはり情報収集が容易になったこともあり、また、ボカロを通じて、素人の作った曲がこんなに素晴らしいものが沢山あることがわかったこともあるのだと思います。素人、つまりプロになるための変な個性の消失、つまりそれはより多く売れるための最大公約数的なものへの歩み寄りというものがないだけ、より純で変で洗練されていないものに多く接することができ、しかしそのなかに珠玉の作品が隠れていることがわかったということは大変ありがたいことに違いありません。はっきり言って、最近はボカロの方が先鋭的な作品が多いような気がするのですがどうなんでしょう。FMラジオから流れてくるJPOPなどを聞き流すにつれ「糞みたいな曲ばかり」だなあと感じるのはわたしだけではないような気がするのですが(中田ヤスタカもちょっと疲れ気味のような気がします)。
で、ATOLSさんの曲を聴いていて、無性に聴きたくなったのが、有名なボカロ曲「サイバーサンダーサイダー」。この作者のEZFGさんの才能にも驚愕するのみですが、本人はいたって気の抜けた感じで好きなものを好きに作っていくというスタンスみたいですねえ。このような曲はボカロというものがなかったら誕生していなかったと考えると本当にボカロの偉大さを痛感するのみです。下に貼りました。


最後に蛇足で、新潮の今月号に木下古栗という作家の作品が掲載されており、短編でしたので気軽に読んだところ意外に面白く、それよりなにより茂木健一郎を見事にディスっていたのに喝采してしまいました。わたしも茂木さんは生理的に嫌いなので。でもあんなにあからさまにディスって大丈夫なのかなあ・・・・茂木さんなら許してくれるかなwww

2012年7月31日火曜日

森岡正博と天使と

森岡 正博(もりおか まさひろ)は、日本の哲学者・大阪府立大学教授
生と死を総合的に探求する生命学を提唱。代表的な著作は『無痛文明論』など。
(Wikipediaより)

twitterは、主にロム専で活用していますが、時には自分がフォローしている人から面白いあるいはレアで貴重な情報が入手できることもありまあまあ面白いツールと思っています。自分から何かを呟くことは滅多にありませんが・・・・。そんなふうなで、twitterと付き合っていると先日思わぬ出会いに遭遇しました。わたしがフォローしている誰かが、リツイートしたものと思われますが、そこに森岡正博さんの名前を見つけたのです。森岡さんの名前を発見したとたんに、わたしの脳裏には、なぜかパトリック・ボカウノスキー監督「L'Ange(天使)」が明滅したのでした。
そもそもわたしと森岡さんの出会いは、当時(95年頃)産経新聞文化部の河村直哉さんの紹介によるものでした。河村さんは、拙著「メタリック」を気に入ってくれ、当時ちょうど始まろうとしていた脳死患者からの心臓移植をテーマにしたエッセイをわたしに依頼してきました。そのエッセイとは、別唐晶司HPの雑文ページに載っている「脳移植という近未来」です。河村さんは、確かその後、産経新聞社を辞し、何冊か自著を出版なされたと覚えているのですが、現在どうしているのかは知りません。どうしてるんだろう?
その河村さんが、おそらく「脳移植という近未来」というエッセイでわたしに関心を抱いてくれた人として(あるいは「メタリック」で興味をもってもらったのかもしれない・・うるおぼえですみません)、森岡さんを紹介してくれたのでした。
で、森岡さん、河村さん、わたしと3人で、四条木屋町界隈の京料理屋で会食したのですが、その時の会話の内容などはほとんど覚えていません。会って話して受けた森岡さんの印象は、「女性的」というものでした。なぜでしょう?・・・今思い出してもよくわからないのですが、小柄で女性的な身体線、優しい視線、柔らかな喋り方、うーーむ、どうもそんなところからわたしには「女性的」という印象が強く残っているのだと思います。当時同じような印象をもっていたのは、「メタリック」の担当編集者で、現在「新潮」編集長の矢野さんで、森岡さんも矢野さんも女性的なイメージとそこに付加された圧倒的な知識量と尖った感性にわたしは「こんなひともいるもんなんだ」と感心するばかりでした。もしかしたらこの二人のイメージに浅田彰のイメージも重なるのかもしれませんが、わたしは実際に浅田さんとは会ったことがありませんのであくまで想像の域を出ませんが。
森岡さんは、当時、京都の国際日本文化研究センターで助手をなさっておられ、そこでセミナーのようなものを定期的に開催されておられ、わたしも一度参加した記憶があります。そのセミナーでは、確か尾崎豊論のようなことを皆で話し合っており、わたしは尾崎豊は大嫌いなので、どうもなんというか胡散臭いセミナーに参加してしまったと初めは後悔したのですが、森岡さんや他の参加者の尾崎豊論を聴いているうちに、少しは尾崎豊に共感できるとこもあるかなと錯覚してしまったようになった記憶があります(笑)。セミナーに参加したのは、結局はその一回きりで、森岡さんとも以来お会いすることなく、年月が流れていったのですが、森岡さんはその後、論壇に登場することも多くなり、ある時期はTVの「朝まで生テレビ」にも出演するようにもなり、また著書も数々と出版されるというようにその活躍にはめざましいものがあります。
ある日、新聞の書評欄を読んでいるとそこに森岡さんの著書「感じない男」が取り上げられていたので、興味をもったわたしは早速購入して読んでみたのですが、かなりのことまでカミング・アウトしておられ(カミング・アウトといっても、ゲイであることやエイズ感染者であることを表明したというようなことではなく、いわゆる男としてなかなか言い難いことをカミング・アウトしたということです。あしからず)、その内容というか、森岡さんの決意みたいなものにわたしはかなり驚いた思いがあります。
その後は、「草食系男子」という流行り言葉を生み出したり?のようなこともあったみたいですが、そのあたりはわたしは知らないままにスルーしてました(今回、森岡さんのwikiを読んで初めて知りました)。
で、話はtwitterに戻りますが、森岡さんの名前をみつけたわたしは早速森岡さんをフォローすることにしました。すると森岡さんから「すごい久しぶり」というような返答があり、わたしのことをおぼえてくれていることにわたしがびっくりしてしまいました。
その頃、ちょうどわたしはある講演会で山折哲雄さんの前座みたいな形で講演する機会があり、その時、山折さんの講演も拝聴し、最近自分が考えている「どうやって死ぬのが一番いいのか」ということの回答となるような貴重な示唆を伺えてよかったと思っていたのですが(当ブログの前エントリーに記事があります)、この山折さんと森岡さんは日文研で職場を共にしており、つい最近は「救いとは何か」という共著書を発表なされたところです。なんというタイミングの良さ!もちろん、わたしは早速この著書を購入し、拝読させていただきました。感想は・・・森岡さんの生命学という立場と山折さんの宗教学という立場からの話があるところでは一致しているようで、またあるところではうまく咬み合わないようで、その微妙な齟齬というものがとても興味深く思われました。現在のわたしは特に救いを求めているわけではないので(関心があるのは死に方だけです)、わたし自身もお二人の話にどうもうまく入っていけない感じもありましたが、それはそれとして十分に読み応えのある本でした。
森岡さんの専門とする生命学なるものはわたしの専門である医学と重なりあう面も多いのでこれからも注視して、森岡さんの仕事を追っていきたいと思います。
で、なぜ「天使」か?
初めてお会いした時、二人が共に面白いと意見が一致した作品がパトリック・ボカウノスキー監督作品の「L'Ange」だったのです。そして、このことだけをなぜかわたしは鮮明に記憶しているのです。80年代中頃、わたしはこの作品を京大西部講堂で視聴し大感激してしまい、一方、森岡さんは東京のイメージフォーラムで視聴して感動したとのことでした。
尾崎豊ではまったく好みの別れる二人ですが、「天使」では見事な一致を示しました。
で、この「L'Ange」ですが、わたしは当時イメージフォーラム社から通販でヴィデオを購入して現在も大切に所有しているのですが、今やこんなレアな映像も簡単にYouTubeで観れるのですね。ほんと、うらやましい限りです。下に貼っておきました。わたしは、この作品、映像でトランス状態を惹起することを試みた実験映画と解釈しています。とにかくすばらしいです。ぜひご視聴を!


パトリック・ボカウノスキー監督作品 「L'Ange(天使)」 

2012年7月9日月曜日

ヤンデロイド

ヤンデロイドとは、“病んでるVOCALOID”の総称である。

最近、このヤンデロイドの楽曲を多く発表しているselePというボカロPさんに夢中になっています。もともと、ヤンデレというカテゴリーには興味があり、東方キャラでもこれをヤンデレに改変したら面白いだろうなというのはあったりしたのですが、まあ心中で思うだけで、現実のヤンデレにはできれば会いたくないなというのが本音です。
で、このselePさんのヤンデロイド曲は、B級臭がとても強く、わたし好みの楽曲に見事に仕上がっています。映画にしても小説にしても、この「B級」という表現はわたしにとっては賛辞といえるものですので、間違えないようにしてください。B級映画監督園子温は大好きですし、同様にB級映画監督ジョン・カーペンターも大大大好きです。で、キューブリックは特A監督で、タルコフスキーも特A、小津も特A、フェリー二とルコントはA級で、長谷川和彦は特B!なんて勝手なことを書いてますがそれぞれの確たる根拠などはありません。
まずは、selePさんの最新作をどうぞ!


 
IAオリジナル曲 『Re;BIRTH』

なんというかこの導入部の安っぽさ(失礼・・)というか軽快さはすばらしいではないですか!!もう最初から心ウキウキです(笑)。で、ヤンデレの歌詞がPCゲームのBGMのようなメロディーにのせてボカロによって歌われていく・・・うーーー、言うことなしです。すばらしいです。特に、ヤンデレのような一見冷たく感情のない表現には、ボカロが合っているのですね。
ヤンデロイド最強!です。
でもヤンデロイドで動画をググるとちょっと傾向の違う楽曲が沢山抽出されます。歌詞は確かにヤンデレですが、メロディーは普通というか、東方してません(笑)。そうです、selePさんのメロディーは東方のZUNさんに通じるものがあるのです。アリプロっぽいと指摘する声もありますが、まあ似たもの同士ということでいいのかもしれません。ですから東方がヤンデレに向いているのも理解できるのです。ローゼンメイデンってヤンデレでしたっけ?
ともかく、わたしにとっては、selePさんこそ、ヤンデロイドを最も的確に表現するボカロPということになります。ということで、もう一曲。

 VOCALOID IA『Ref-Rain』

なんか最初の曲と似てますよね。
ニコ動ではselePさんの曲(50曲あまり)をすべて聴くことができます。で、聴いてわかることはすべての曲にseleP節という通奏低音というか同じ血が流れているということです。以前紹介したボカロPのシオンさんもそうでした。これは創作者にとっては否定することのできない宿命です。Phenotypeが変わってもGenotypeはいっしょのため、そこに流れる根源的な共通項がどうしても観察者に嗅ぎとってしまわれる。それゆえに、絶大なる支援者というのが付くわけです。この創作におけるGenotypeというものにどこまで惹きつけられるか、それがその作者をどこまで好きになるかということと結びついています。
作家でいうとこれは文体になるのかもしれません。この文体をいじった面白いコピペが以下のものです。有名なので皆さん知っていると思いますが、敢えて転載しておきます。

 ◆小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚きながら振り返った。」
◆ケータイ小説 
 「ドカーン!びっくりして俺は振り返った。」
◆ラノベ
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とか
そういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである」
◆山田悠介
「後ろで大きな爆発音の音がした。俺はびっくりして驚いた。振り返った。」
◆司馬遼太郎 
 「(爆発--)であった。余談だが、日本に初めて兵器としての火薬がもたらされたのは元寇の頃である…」
◆荒木飛呂彦
 「背後から『爆発』だアァァァッ!これを待っていたっ!振り返ると同時にッ!すかさず叩きこむ!」
◆村上龍
「後ろで爆発音がした、汚い猫が逃げる、乞食の老婆が嘔吐して吐瀉物が足にかかる、
 俺はその中のトマトを思い切り踏み潰し、振り返った。」
◆奈須きのこ
「爆発があったのは昨日のことだっただろうか。
――突如、背後から爆発音が鳴り響いた。その刹那、俺はダレよりも疾く振り返る―――ッ!」
◆矢口真里 
「子供の頃からボンバーマンが大好きで、爆発音がしたらつい後ろを向いちゃうんです。多分、芸能界では一番マニアックなボンバーマン好きだと思いますよ。
◆京極夏彦
「凄まじい音とともに地面が揺れる。――爆発、ですか?私が問うと、
 彼は白湯とさして変わらぬ出涸らしをすすり、
――だから何だと言うのか。と答えた。りん、と、何処かで風鈴の音がした。」
 ◆村上春樹
「爆発というものを想像するとき、
僕は夏の夜に流れる星のイメージに捕らわれる。
それは恐ろしく儚く、そして短い生命なのだ。だから、僕は常に混乱する」
 ◆夢野久作
「……ドオオ―――ンンン――――ンンンン……………。
いやいや。バクハツだバクハツだ……そんな馬鹿な……
不思議な事が……アハハハ……。
私は振り返り、思わず笑いかけたが、
その笑いは私の顔面筋肉に凍り付いたまま動かなくなった。」
 ◆夏目漱石
「後ろからぼかん、という音がした。
我輩はまた白君がどこぞの酒屋の一斗缶を倒したのかとおもうと、
どうもちがうらしい。
ちらと音のしたほうを振り返ると同時に、
硝煙が我輩の鼻をくすぐった。」


いかがでしょうか?
なんかうまく特徴をとらえているような気がします。これすべて一般の人の創作です。一般といっても何が一般なのかわかりませんが(笑)。
話が変な方向へ向かってしまい、すいません。で、元に戻すべく、もう一曲紹介。これは最近ニコ動でランキング上位になったボカロです。

 
【初音ミク】こちら、幸福安心委員会です。【オリジナル】 
 
すごくありません?
本当はニコ動でコメントといっしょに視聴する方がもっともっと感動するのですが、とにかくすばらしいです。で、こういう曲がまだランキング上位に来るということはいまだにニコ動会員のレベルの高さを保証しているような気がします。ニコ動の会員数もかなり増えたので最近のランキングに上がってくる作品の質の低下を危惧していたところなのですが、まだまだ大丈夫みたいです。まあそれよりランキング上位にはない、一部のマニアにのみ指示されている珠玉の作品を見つけることがニコ動の醍醐味なのですが。そしてそういうものが必ずあるというのが、既存メディアとの違いといえます。
なんともとりとめもなく駄文を書き連ねてしまいました。
今回はこのあたりで。



2012年6月17日日曜日

JAシーザーからボカロへ、そして丸尾末広

J・A・シーザー(本名:寺原 孝明、1948年10月6日 - )は、日本の作曲家、作詞家、演出家。
演劇実験室◎万有引力主宰者。宮崎県生まれ、静岡県育ち。
1969年上京。後に寺山修司に出会い「演劇実験室・天井桟敷」に入団、音楽と演出を担当。
1983年、自ら「演劇実験室◎万有引力」を結成。

 本日、なんとなくシーザーの名曲「バーチャルスター発生学」(少女革命ウテナのエンディング曲)を聴きたくなり、YouTubeで聴いたところ無性にこの曲で東方MMDによるKINETICTYPOGRAPHYの動画を作りたくなったのですが、現在進行中の東方MMDによるヘヴィメタ作品が完成もしていないので、まずはこれを完成させてからと自分に言い聞かせました。
とにかく、この「バーチャルスター発生学」の歌詞は鮮烈です。といってもシーザーの曲はどれも歌詞がすごいのですが、天井桟敷時代はその歌詞はもちろん寺山修司によるものでしたが、寺山亡き後は、シーザー自身が作詞もしているようです。そして、そのためか歌詞はどんどん過激になっているような気がします。
とにかく、まずは「バーチャルスター発生学」を視聴下さい。


うーーん、すばらしいです。
ついでにこの少女革命ウテナで一番有名な曲「絶対運命黙示録」もどうぞ。


メロディーはシーザー特有の呪術的な感じで、歌詞はなんじゃこりゃ?というような奇妙奇天烈なもの(由来を知ればそうではないことがわかるのですが)です。
まさにシーザーワールド全開です。
で、この「バーチャルスター発生学」をボカロでアレンジしてる人いないかなあと思い、ニコ動で探すといたんですよね。すばらしいです。そのアレンジもすばらしい!


で、この他にもないかなあと思っていたらなんとすごいお方がいました!
シーザーの曲ばっかりボカロでアレンジしているのですよ。
まずはこれをどうぞ!


で、これの原曲は寺山修司監督映画「田園に死す」でのオープニング曲です。


おどろおどろしさが消えて、なんか良い感じにアレンジされていると思いました。
このPさんの他のシーザー曲のアレンジすべてすばらしいです。
ぜひご一聴を!
そしてJAシーザーの世界に踏み込むキッカケになっていただければと思います。

わたしとシーザーの出会いはもちろん天井桟敷を経由したもので、それゆえ天井桟敷時代のシーザーの曲はほぼ知っているのですが、万有引力時代のものはあまり聴いていませんでした(少女革命ウテナは除く。これはかなり流行ったのでよく知っているのです)のでこうやって新たなシーザーの曲を聴くにつけ、シーザー節健在!とうれしくなってしまいます。 今後もシーザーフリークが増えてくれればと思います。ほんと、こんな音楽家、世界中になかなかいないですよ!!!

で、シーザーボカロを聴いていたらなぜか丸尾末広原作「少女椿」のアニメフィルムをニコ動で見つけてしまいました。漫画はもちろん読んでましたが、アニメがあったとは・・・。で、音楽はJAシーザー。まあ、丸尾末広の世界は天井桟敷の世界に通じますので、JAシーザーが音楽担当は至極真っ当だと思えます。で、このアニメ・・・まあすごいです。面白いのはコメント。ニコ動の若い視聴者にはかなりとまどう類のアニメみたいでそのとまどいぶりがよくわかって面白いです。これもぜひお勧め!
ちなみに、殆どの眼科医が読んでいるある製薬メーカーの季刊誌の50周年記念号で巻頭のお祝いの文章を書かせていただいたのですが、そこでわたしが眼科医になった理由を、「藤枝静男とバタイユと丸尾末広の影響」と書いたのですが、それを真に受けて「丸尾末広」をググって調べた眼科医たちが一様に「見てはいけないものを見てしまった」というような感想を述べたのが面白かったです。それくらい丸尾末広が好きです。ちなみに花輪和一も好きで、ちびまる子ちゃんの丸尾くんと花輪くんの名前の由来はここみたいですね。さくらももこは、丸尾末広と花輪和一が好きという結構マニアックな漫画家だったのですね。これ最近知りました。
ともあれ、「少女椿」ぜひご視聴を!
下のリンクは5部に分けているものの第一部です。2〜5は、少女椿2/5というようにわかりやすく書かれています。それから1部は、視聴できないカットが多くてやや見づらいですが、2〜5はそういうことはありませんのであしからず。



なお、下記のリンクからの動画はまったくカットなしのフルバージョンを視聴できます。
でもやはり皆のコメントとともに観るほうがなんか救われます(笑)。

少女椿



2012年6月14日木曜日

謎の彼女X

謎の彼女X』(なぞのかのじょ エックス)は、植草理一による恋愛漫画作品。「月刊アフタヌーン」(講談社)に2004年10月号に掲載された読切作品『謎の彼女X』を第0話として、2006年5月号より連載されている。2012年4月現在、単行本は8巻まで刊行されている。2012年4月よりテレビアニメが放送中。

 昨年は、「魔法少女まどか☆マギカ」「シュタインズ・ゲート」といった珠玉の作品に出会えたアニメでしたが、今年はそういった作品になかなか出会えず、どうももやもやした感じだったのですが、それも「謎の彼女X」の登場によって解消されました。もちろん、視聴はニコ動でしているのですが、「アニメはニコ動で視聴」というのがおそらく今後王道になると思われます。あのコメントがないとどうもアニメを観ているという実感が湧かないのです。今後はすべてのアニメがニコ動で視聴できるようになってほしいものです。

で、話は「謎の彼女X」に戻って・・・・
このアニメ、かなり変です。ポイントは、「唾液」なのですが、それ以外もあらゆるところで「フェティシュ」ということが強調されます。舞台は高校なのですが、どうも作者の年齢を反映して、80年代の高校生のようで、それもまたわたしのようなおじさんには親近感が湧きやすくなるのだと思います。
とにかく変・・・でも、普通、でも、なんか惹きつけられる・・・うううっ、中毒みたいな・・・というのがこのアニメの感想です。
「シュタインズ・ゲート」のような退屈な回というのはありません。普通の高校生の日常を描いているだけですが、すべての回が神回です。声優さんの声もすばらしく特に主人公卜部美琴の声はなんか大人っぽい変な艶があっていいです。この声優さん、本職は女優みたいですが、よく知りません。
1期で終わるのか・・・・できれば2期も観てみたい気がします。いや、絶対に観たい!です。

他のアニメとしては、Fate/Zeroは1期の途中で観るのを諦め、2期も最初2話は観ましたが以降中断したままです。アクセル・ワールドは前評判が高かったので観ましたが、1話で終わりました。這いよれ!ニャル子さんは、ラブクラフトのクトゥルー神話を素材にしているようでそれほどでもないようで、結構ペダントリックなアニメですがただそれだけであまり内容は面白いとは感じませんでした。一応、5話くらいまでは視聴しましたが、そのあたりで自然に止めました。そんなアニメです。
そうそう、昨年「へうげもの」を観てから歴史アニメに興味を抱くようになり、最近、漫画で「シグルイ」を読みました。これはなかなかエグい漫画でとても面白かったです。アニメにもなっているようですが、おそらくTV放映できる範囲のエグさではその良さが殆ど消されてしまっているかもしれません。この漫画は漫画で楽しむのが一番かもしれません。

2012年5月15日火曜日

おめでとう、マンチェスター・シティ!

歓喜するマンチェスター・シティの選手たち
中央コンパニ、その左横監督マンチーニ、その左横バロテッリ

プレミアリーグの最終節が日曜日に開催され、劇的な幕切れを迎えました。
そうあまりに劇的な!
わたしはJ-sportでTV観戦しておりました。前半にマンチェスター・シティが得点した段階で、もうこれはシティの勝ちで決まりと確信しました。なにせ前半のボールポゼッションはシティ80%、QPR20%と圧倒的にシティの一方的な試合でしたので。このままのボールポゼッションで後半も試合をすすめていけばほぼ間違いなく勝利はシティのものになるはずというのは誰もが想像するに難くないことのように思われました。
ただ、ただ・・・先日のチャンピオンズリーグでのバルサVSチェルシーのことが脳裏をよぎりました。つまらないミスがなければ・・・・。
で、あろうことか、後半早々に、このつまらないミスがシティにおこってしまうのです。そのミスを逃さないのがQPRのシセ!見事にゴールを決めてしまいました。
1対1のスコア・・・・それでもまだ30分以上あるし、 もう1点はなんとかなるんではという期待をもって、試合をみてました。
するとなんということでしょうwwwwQPRの悪童バートンがシティのテベスに肘打ちを食わせてレッドカードで退場となったのです。退場の際には、バートンにシティの問題児バロテッリが食いかかっていく場面もありドラマとしてはとても面白い演出となっていきました。10人となったQPRは、チャンピオンズリーグでテリーの退場によって10人となったチェルシーのように完全に自陣に引いて、ゴールを固める策に徹し、これによってわたしにはあのバルサVSチェルシー戦の悪夢がまた頭をよぎったのでした。
このままシティは得点できずに引き分けのままで終わる・・・。
そしてマンチェスター・ユナイテッドはサンダランドを破って勝利し、プレミアリーグの覇者はユナイテッドに決定!
なんという悪夢!
そんなことを考えているうちに事態はさらに深刻に!
な、なんと10人になったQPRがカウンター攻撃でさらに得点してしまうのです!
オーマイガー!ですよ。
TVに映るシティサポーターは涙を浮かべてますよ。
1対2となってしまい、これでシティは残り20分で2点得点しなければならなくなったのです。でもシティの攻撃力ならなんとかなるのでは・・・なんて、ちょっとは思いましたがそれよりもわたしにはバルサVSチェルシーの結果が思い出されるだけで、今期はどのリーグもこういう結果になるのだと諦観したのでした。つまり、必ずしも強いチームが勝利するわけではないという・・・まあ当たり前のことであるのですが、それが如実に現れたのが今期のfootballなんだと。
ほとんどシティの勝利を諦めてわたしはそれでも1%の奇跡を信じて試合を観戦しました。
が、シティは何度も決定機を迎えるものの決めることができないという負け試合の典型的なパターンを繰り返すのみで、これはもう完全に負け試合だと確信に至るだけでした。
それが・・・・。
後半の追加タイム5分に入って、その1分後にシルバ(わたしのお気に入り!)の蹴ったコーナーキックをジェコがヘッドでゴールし、その2分後、悪童バロテッリの体を張ったアシストでアグエロが奇跡的なゴールを決めてしまうのです!
追加タイムに入って2得点で逆転勝ちというと99-00年のチャンピオンズリーグでのマンチェスター・ユナイテッドVSバイエルンでのユナイテッドの勝利を思い出しますが、それにも勝るとも劣らない大団円が待ち受けていたのです。
すげえーーーー!
このような試合をTV生観戦できたことを幸せに思います。
素直にシティにはおめでとうと言いたいです。
そして、ユナイテッドざまあーーー!wwww
でも来季、ユナイテッドに香川が入るという噂もあり、そうなったらユナイテッドもちょっと応援しようかなとも考えてしまいます。
ここまで書き連ねました世紀のドラマを追体験したい方は以下のURLへ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17826672
ニコ動ですので会員しか観れませんが、非常にお勧めです。
 


2012年4月29日日曜日

これがfootballだ!

今期での監督辞任を発表したグアルディオラ。

UEFAチャンピオンズリーグ準決勝の結果は、前エントリーでわたしが予想したものとは真逆のものとなりました。 そうです。バルサもレアル・マドリーも敗れ去りました。
バルサは対チェルシーにおいて、2試合ともほぼ完全に試合をコントロールしてました。合理的に物事が進めば、バルサの完勝になっていてもおかしくはありませんでした。
それが・・・・。
まさにこれがfootballのfootballたる真骨頂というか、不条理な結果に終わってしまったのです。第2レグで10人になってしまったチェルシーのその守備は悲惨ではありましたがある意味美しくもありました。2年前のCL準決勝対バルサ戦第2レグで見せたインテルのその姿と重なるものがあります(この時のインテルの監督はモウリーニョで、インテルは決勝でバイエルンを破り優勝を飾りました)。
バルサは、バルサは・・・・・何かが欠けていた・・・というか運に見放されてしまったのか・・・今期のバルサは史上最高のバルサになるはずだったのですが、結果論からするとそうはなりませんでした。おそらく昨季のバルサが史上最高のバルサとして語り継がれていくのかもしれません。それでも来季もグアルディオラが監督を続け、来季にまたCLを制覇するれば流れとしてこの5年間のグアルディオラバルサは史上最高のバルサとして歴史に名を残すことができたでしょう。が、それも・・・・そうです。グアルディオラが今期での辞任を発表してしまったのです。
残念・・・・。
でもそれを決断したペップには賞賛の拍手を送りたいと思います。このまま続けてもそれなりの結果をもたらすことはできるとは思うのですが、ペップはそれをよしとしなかったのでしょう。ペップの新たな挑戦に期待したいです。そう、バルサ以外でのチームでのグアルディオラ監督の手腕をみてみたいと思います。その結果によってグアルディオラの監督としての真価がはっきりすると思われます。がんばれ、ペップ!できれば、というかぜひ、プレミアリーグに来て下さい。で、できればリバプールの監督に就任してください。わたしはアーセナルファンですが、客観的に第三者としてプレミアのチームバランスを考えるともうそろそろリバプールに優勝してもらわないと困るのです。で、その後くらいにはヴェンゲルがアーセナルを辞任しているかもしれないのでそこのグアルディオラが来ていただければと思います。どうしてこういうことを書くのかというと、実は以前ある会報に近況報告みたいな雑文を書き、そこでチェルシーの監督だったモウリーニョについて、チェルシーの次はインテルでその後はレアル・マドリーの監督になってほしいと書いたのですが、豈図らんやそうなってしまい、自分の予知能力に高さに驚いたので(嘘です)、今こうしてグアルディオラの将来について書いてみました。でもこれはあくまでわたしの希望です(モウリーニョはわたしの希望通りの道を辿ってくれましたが)。
で、そのモウリーニョ率いるレアル・マドリーもバイエルンに敗れさってしまいました。こちらはPK戦の末です。まあPK戦というのは運ですから仕方ないのですが、やはり合理的に考えるならレアル・マドリー対バイエルンもレアル・マドリーの勝利で終わっているのが当然の結果のように思えました。事実、試合をコントロールしていたのはレアル・マドリーの方だったように思えます。しかし、モウリーニョは来季も残留すると思われますので来季のレアル・マドリーには史上最高のレアル・マドリーとして圧倒的な力で勝ち抜いていく姿を期待したいと思います。
でもそのカウンターとしてグアルディオラのバルサがいないのは淋しい限りです。
もう2年くらいは、このグアルディオラバルサとモウリーニョマドリーの覇権争いをみたかったというのが本音です。あーーー、すごく残念です。

ということで、リーガの両雄がチャンピオンズリーグから消え去りました。
その理由は・・・・footballが不条理なものだから・・・
いや、違います!
それは、リーガの馬鹿げた試合日程にあったからです!
CL準決勝の合間にクラシコを配置するなんて、

絶対、間違っている!

バルサもマドリーもクラシコで疲弊しきってしまって、その結果があの第2レグでの敗戦ですよ。チェルシーもアーセナル戦という重要な試合がありましたが、バルサ戦での主力は休ませてました。バイエルンになるともう殆どの主力が休んでました。このフィジカルの差が結局は大きかったということなのではないでしょうか。
で、CL決勝はバイエルン対チェルシー。
なんか興味半減です。どっちが勝ってもいいのですが、どちらかというとチェルシーを応援します (おそらくバイエルンの優勝とは思いますが)。チェルシーが優勝すれば監督のディ・マッティオは来季は正式に監督になると思いますので、あまり怖くはない存在になってアーセナルの相手にはならないかなあと・・・いいように考えてます。それにドロクヴァやテリー、ランパードらにも一度はCL優勝を経験させてあげたいなあという気持ちもあります。彼らの引退への花道としてはいいのではないでしょうか。
この2週間はまさに怒涛の2週間で欧州サッカーファンとしては睡眠不足に悩ませられながらもwktkの 2週間でした。
が、まだあります。明日深夜(明後日早朝)にはプレミアリーグの頂上決戦、マンU対マンシティがあるのです。あーーー楽しみだあ。




2012年4月15日日曜日

UEFAチャンピオンズリーグ11−12

メッシ VS CR7

今期のチャンピオンズリーグもいよいよ佳境を迎えております。
予想通り、リーガの両雄、バルサとレアル・マドリーが準決勝まで残っています。
で、今週来週と準決勝の第1レグと第2レグがあって、その間の今週末にはクラシコで両チームが戦います。両チームにとってまさに踏ん張りどころの2週間(正確には今週の火曜日から来週の水曜日までの8日間)になります。
準決勝はバルサ対チェルシー、レアル・マドリー対バイエルンですが、バルサはおそらく楽勝だと思います。今のチェルシーは、いまいちです。ビラス・ボアスを解任して、アシスタントコーチのディ・マッティオを昇任させましたが、このディ・マッティオ、今ひとつ信用出来ない感じで、どう考えてもビラス・ボアスを継続させた方が長期的にみていいように思えるのですが、アブラさんにはそんな長期的展望というのはないみたいです。ともかくチェルシーはバルサとの第1レグの3日前にFAカップの準決勝があり、トッテナムと戦わなくてはいけません。これは大変ですよ。3日後にバルサ戦ですよorz。
ということで、バルサはほぼ確実に決勝に進むとして、レアルはどうなのか?
バイエルンは侮れません。決勝の会場はバイエルンのホームスタジアム、アリアンツアレーナです。そのモチベーションといったらすごいのは想像に難くありません。まあでもおそらくレアル勝ち抜けだろうなあ・・・・と思うのですが、バルサほどには簡単にはいかないでしょう。わたしの希望としてはやはり決勝はバルサ対レアル・マドリーです。
で、その前の今週末にあるリーガでのクラシコ、バルサ対レアル・マドリーですが、これもまた大変な試合になりそうです。現在、レアル・マドリーが首位でバルサが2位、その勝ち点差は4。バルサが勝てば、勝ち点差は1に縮まります。それよりなによりレアル・マドリーとしては、ダブルでバルサに負けてしまえば、たとえリーガで優勝してもその価値が下がってしまうのは当然でしょう。バルサには勝てなかったリーグ覇者なんてレアル・マドリーファンにとっても許しがたい状況に思えます。それでもチャンピオンズリーグでバルサを破って優勝すればなんとか面目は保たれるような気はします。
ということで、今週はチャンピオンズリーグよりもとにかくクラシコに注目です。
バルサはクラシコ重視で望んでくるような気がします。レアル・マドリーはチャンピオンズリーグ重視のような気がします。レアル・マドリーにとってはクラシコは引き分けでよく、勝つ必要はあまりないと思われます(そもそもバルサホームですし)。それより何よりバイエルンを破って、決勝でバルサを破ることの方が重要です。ホームアンドアウェイ方式で、レアル・マドリーがバルサに勝つ確立は低く思われますが、一発勝負の中立スタジアムでの勝負ではレアル・マドリーが勝つ確立は50%となるように思われます。つまり、チャンピオンズリーグ決勝ならどちらが勝ってもおかしくはない。 モウリーニョは、すべてをここチャンピオンズリーグ決勝に狙いを定めていると思われます。
ともかくわたしが希望していた対戦が実現しそうで楽しみです。

プレミアリーグも佳境をむかえ、ユナイテッドがシティを引き離したかのようですが、いやいやこれはまだわかりませんよ。とにかく5月1日のユナイテッド対シティ戦まで注目し続けなければいけません。個人的にはシティの優勝を望んでいるのですが。
アーセナルは復活してきました。よかった。どうやら3位で終えそうですがこれは望外の位置です。ヴェンゲルってやっぱすごいなあというのが素直な感想です。

2012年4月1日日曜日

新装開店


 MobileMeで提供している主なサービスは、
iCloudとシームレスに連係するように変更されました。
有料のシンクサービスとしての MobileMeはご利用いただけなくなります。
2011年6月6日の時点で有効なMobileMeアカウントを持っていた方は、
追加料金なしでメンバー シップが2012年6月30日まで延長されます。
この日を過ぎると、MobileMeのサービスはご利用いただけなくなります。

Appleのサービス、Mobile MeがiCloudに移行することによりiDiskとiWebのサービスがなくなってしまいます。ということはこのHPはiWebを使用してMobile Meに公開していたのでまったく使えなくなります。ただ他のパーソナルドメインも使用できるので、このiWebで制作した「別唐晶司作品庫」はこの姿のままで他のURLに変更して継続することも可能です。
が、わたしはこのApple の姿勢にむかついたので(加えて、iWebはもうバージョンアップされることもなくどうやら消えてしまうみたいなので)、長年のマカーですが、むかつくものはむかつくので仕方ないので、全面的にAppleからオサラバすることにしました。といってもMacは使い続けますが。で、新たな「別唐晶司 作品庫」をgoogleのサイトで作成しました。これはiWebよりも便利でした。iWebですとiWebをインストールしたMacでしか編集することができず、これはいつも不便に感じていたのですが、Googleサイトにすることによりどこでも編集可能となりました。また、ブログもこれまでのは何の変哲もない古めかしいものでしたが、GoogleのBloggerを使用することにより最新の機能のついたブログとなりました。
動画にしても同様で、これまではiWebのページに動画を貼り付けていただけですが、Googleグループの一員であるYouTubeとリンクさせるだけでいいことになり、手間が省けました。ニコニコ動画にしても同様です。小説・雑文も機能的なリストによってダウウンロードしやすくなったと思います。
まさに機能的になった!
というのが新たなHPを構築しての自分の感想です。
わずか2日でできたというのもその作成機能の簡便性を物語っているのではないでしょうか。これから少しづつ慣れていき、いろいろと工夫してみるつもりです。
それにしてもGoogleのこの多面的な展開には驚くばかりです。多くのオプションを求めなければ何をするにしてもそのためのソフトを購入する必要などなく、ほぼすべてがGoogleから無料で利用できます。
スティーブ・ジョブズ亡き後のAppleもうかうかしていたら凋落の道をたどることになるかもしれません。まあいずれにしてもわたしがiPhoneからAndroidに乗り換えることはないと思いますが・・・2年後にどうなるかは不明です。