2014年11月4日火曜日

佐々木昭一郎の世界

 佐々木 昭一郎(ささき しょういちろう、1936年1月25日 - )は、日本のテレビドラマ演出家である。
東京都出身。元・NHK所属。現在はテレビマンユニオンに所属している。

わたしは引っ越しの度に、本やレコード、CD、DVDなどはなるべく処分していく方針で、どうしても手元に持っておかざるをえないものだけ、長年持ち続けるようにしています。
ですからTV録画したVHSビデオとなるとわずか1本しか持っていません。
そして、そのビデオのなかに録画された番組は、どちらもNHK制作の「四季ユートピアノ」と「安寿子の靴」であります。
「安寿子の靴」に関しては次のエントリーで詳しく書く予定。
今回は、「四季ユートピアノ」の演出家、佐々木昭一郎について書きます。
なぜなら今まさにこの佐々木昭一郎の過去の作品が再放映されているからです。
NHK BSプレミアムで11月3日から始まっています。再放映もあるので見逃した方はぜひ!(http://www.nhk.or.jp/archives/premium/

佐々木昭一郎といえば主演女優の中尾幸世と来るように、かれの代表作「夢の島少女」「四季ユートピアノ」川3部作(「川の流れはバイオリンの音」、「アンダルシアの虹」、「春・音の光」)で主演しているもっとも重要な女性が中尾幸世さんです。彼女は女優というより素人というほうがあっているようで、佐々木昭一郎の作品以外には出演していないと思うし、NHKの朝ドラの主演が決まってもそれを断ったという噂もあるので、まさに真性の女優です。

 上に貼った動画に中尾さんの一部を垣間見ることができます。 そもそも佐々木昭一郎の演出は、ドキュメンタリータッチな感じでいわゆる役者が演技をしているという感じではありません。素人がそのまま地を演じているような感じなのです。ですから中尾さんはそのまま中尾幸世を演じていたのかもしれません。だからあんなに素晴らしかったのかもしれません。 とにかく80年代前後は佐々木昭一郎の作品に嵌ってました。 今でも「四季ユートピアノ」を初めて観た時の驚きは覚えています。
 なんじゃあーーこの作品は!!
まさに、「まどマギ」を観た時と同じ感慨ですwww
で、VHSに録画していたので数年に一度、思い出したように「四季ユートピアノ」を観るのですが、さすがに徐々に色褪せてきたような気もします。なぜだか、あの頃には新鮮で驚きしかなかったものが少々陳腐なものにみえかけてきています。
どうしてだろう?
で、今観ても圧倒的に面白いと思えるのが、「紅い花」なのです。もちろん、放映当時も滅茶苦茶面白かったですが、この作品だけは今でも面白い。
つげ義春の原作だからか?
いや、おそらくそれは少女の聖性の違いによるもののような気がします。
この「紅い花」は YouTubeで観れます。いちおう、OPだけを下に貼っておきます。名作です。全編はこちらから(https://www.youtube.com/watch?v=EsnbBLTUHGU)。 同じ題名で同じくつげ義春の原作を映画化したものがあります(石井輝男監督)が、映画よりも佐々木昭一郎のTVドラマの方が圧倒的に面白いです。


このOPを観てもわかるように、佐々木昭一郎の映像には川が頻出します。それはまるでタルコフスキーの川と葦のようなものです。
川がなにかを語ってきます。そして、観るものはそこにひきずりこまれていくのです。
久しぶりに、佐々木昭一郎の世界に耽溺したいと思います。